二人が通されたのは、八畳の和室だった。庭先からツクツクボウシの鳴き声が響いている。どこかに仏壇でもあるのか、日下は鼻先に線香の匂いを感じた。室内は整然としており、冷房が効いている。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 ページ位置:10% 作品を確認(amazon)
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室内の雰囲気
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前後の文章を含んだ引用
......頭を下げた。「重藤だ。生憎と妻が出かけていて、もてなしはできないが、上がってくれ」 やわらかな口ぶりだった。その言葉で、電話に出た女性が夫人だと察しがついた。 二人が通されたのは、八畳の和室だった。庭先からツクツクボウシの鳴き声が響いている。どこかに仏壇でもあるのか、日下は鼻先に線香の匂いを感じた。室内は整然としており、冷房が効いている。「楽にしてくれ」 勧められるままに二人が濃紫色の座布団に腰を下ろすと、重藤は向かいに座り、茶を淹れ、二人にすすめた。 その重藤を、日下は改めて見つめた。七三に分......
単語の意味
鼻先(はなさき)
つくつく法師・寒蝉・蛁蟟(つくつくぼうし)
つくつく法師・寒蝉・蛁蟟・・・セミ科の一種。夏の半ば過ぎから鳴く小形の蝉。体長3cmほど。「オーシーツクツク」と鳴くのが名前の由来。筑紫恋し。法師蝉。「蛁蟟」は「みんみんぜみ」とも読める。
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室内の雰囲気の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
六畳の部屋が三つ、鳥の箱のように並んでいる。
林 芙美子 / 清貧の書 amazon
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暗幕のなかで電球がそのまわりだけにほの暗い光を落していた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
十畳と茶の間との隔ての襖
有島武郎 / 或る女
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