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呼鈴を押した。短い、余韻のない音が直ぐ、扉の彼方で鳴った。伸子は、期待と好奇心を感じた。暗い横通りで変な不安に襲われて来たところなので、彼女にはこの古くさい板硝子 のはまった扉の一重彼方が何かの暖かさ楽しさを持っていそうに思われた
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:1% 作品を確認(青空文庫)
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ドアのチャイム・呼び鈴
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前後の文章を含んだ引用
......テンの隙から、内部にちらつく男の立姿や文句の判らない話声が聞えて来る。―― 伸子は、父の腕を引いた。 「ここよ!」 佐々は、外廻りを一通り眺め、入口の段を昇った。呼鈴を押した。短い、余韻のない音が直ぐ、扉の彼方で鳴った。伸子は、期待と好奇心を感じた。暗い横通りで変な不安に襲われて来たところなので、彼女にはこの古くさい板硝子 のはまった扉の一重彼方が何かの暖かさ楽しさを持っていそうに思われたのであった。すぐ硝子に人影がさした。樫扉 は内側に案外滑らかに開いた。扉をあけた男は、彼らを見ると更に入口を広くあけ、改った口調で挨拶した。 「よくいらっしゃって下......
単語の意味
好奇(こうき)
余韻・余韵(よいん)
好奇・・・珍しい物ごとやまだ知らないことに強い興味や関心を持つこと。また、そのさま。
余韻・余韵・・・1.余(あま)った韻(いん[=似たような響き])。余った音。鐘をついた後などにある、音が鳴り終わった後にも残っている響き。「韻」と「韵」はどちらも訓読みで「ひび(き)」と読め、「音」を意味する字。「余音」とも書く。余響(よきょう)。
2.1が転じて、事が終わったあとも残る風情や味わい。また、詩文などで言葉で直接あらわされていない趣(おもむき)。余情(よじょう)。
2.1が転じて、事が終わったあとも残る風情や味わい。また、詩文などで言葉で直接あらわされていない趣(おもむき)。余情(よじょう)。
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ドアのチャイム・呼び鈴の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ドアをノックすると、驚くほどよく響いた。所詮は突貫工事、建物全体が大きな太鼓のようになっている。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
ドアをノックすると、中から「どうぞ」という声が返ってきた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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「室内のようす」カテゴリからランダム5
ふっと横の砂壁にちらちらと朝の陽が動いている。幻燈のようなり。
林芙美子 / 新版 放浪記
ニの部屋はものが少なくきちんと片付いている。おしゃれなインテリアは皆無で、では無機質な部屋かといえばそうではなくて、たとえるなら妻に先立たれて一人でなんでもできるようになったおじいちゃんの部屋、もしくは入所十年目の模範囚の部屋といった感じだ。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
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