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体が、ひとりでに、うろうろした。  無論、居眠りどころか。  蔵六は、空ばかりを見、半刻ごとの、鐘の音ばかりを、数えていた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:22% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......たとたんに、蔵六は、自分の首が、抜けて行った気がして、 「いっぱい、食わされたかな?」  と、いう疑惑や、後悔や、職務の自責や、いろんなものが、頭にこんがらかって、体が、ひとりでに、うろうろした。  無論、居眠りどころか。  蔵六は、空ばかりを見、半刻ごとの、鐘の音ばかりを、数えていた。  いくら馴れても、夜明けになると、しいんと冷えてくる。  牢番長屋の隅ッこにある、掘ッ立て便所へ通うたびに、蔵六は、番茶みたいに濁った自分の小便を見......
単語の意味
体(からだ)
・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
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吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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