熟した木苺みたいな大きなイボ

干物屋の娘のせいか、いつもにきびがどこかに出来ている。

異物は円錐形で、先が鋭く尖っている。彼は最初、子供のころに好んで食べた金米糖が一と粒、そこに半分埋まっているかのような印象を受けた。

口中が口内炎だらけになって、喉の奥なんて、口内炎の銀河みたいになってて。

アーモンドクラッシュがちりばめられたみたいなニキビ顔

わきの下や胸のくぼみにじっとりと汗がにじんでくるのが感じられた。

長い間悩み続けてニキビは消えており、そこは一面穴だらけになっていた。今となってはその穴だらけの皮膚を晒してゆくほかない。

顔が汗で蠟ろうをぬたくったように光っている

胸や腹は、指で押しても、血膿（ちうみ）にまじった、水がどろりと流れそうに、黄いろくなめらかに、むくんでいる。ことに、むしろの裂け目から、天日（てんぴ）のさしこんだ所で見ると、わきの下や首のつけ根に、ちょうど腐った杏（あんず）のような、どす黒い斑（まだら）があって、そこからなんとも言いようのない、異様な臭気が、もれるらしい。

夏蜜柑の皮のような満面のニキビ