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染色体の写真を見たことがある。それは双子の蝶の幼虫が、何組も何組も縦に並んでいるように見えた。楕円形の細長い幼虫は、人差し指と親指でつまむのにちょうどよい丸味を持ち、小さなくびれや湿っぽい表皮が生々しく写し出されていた。一組一組はそれぞれに個性的な形をしていて、先端がステッキ状に曲がったもの、まっすぐ平行に向き合ったもの、シャム双生児のように背中がくっついたものなどいろいろだった。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:44% 作品を確認(amazon)
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染色体
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前後の文章を含んだ引用
......たしが今、自分の頭の中で赤ん坊を認識するのに使っているキーワードは『染色体』だ。『染色体』としてなら、赤ん坊の形を意識することができる。 前に、科学雑誌か何かで染色体の写真を見たことがある。それは双子の蝶の幼虫が、何組も何組も縦に並んでいるように見えた。楕円形の細長い幼虫は、人差し指と親指でつまむのにちょうどよい丸味を持ち、小さなくびれや湿っぽい表皮が生々しく写し出されていた。一組一組はそれぞれに個性的な形をしていて、先端がステッキ状に曲がったもの、まっすぐ平行に向き合ったもの、シャム双生児のように背中がくっついたものなどいろいろだった。 姉の赤ん坊のことを考える時、わたしはその双子の幼虫を思い浮かべる。赤ん坊の染色体の形を、頭の中でなぞってみるのだ。三月十四日 十六週+五日 五ヵ月に入ったとい......
単語の意味
湿っぽい(しめっぽい)
染色体(せんしょくたい)
背中(せなか)
親指・拇・擘(おやゆび)
人差し指(ひとさしゆび)
蝶(ちょう)
湿っぽい・・・1.水気を含んでいて、ジメジメしている。
2.気分が落ち込んでいる。陰気な感じがする。
染色体・・・細胞の核の中にあって、染色液によく染まる物体。染色体をたらした細胞を顕微鏡で見ると、色が染まっている部分。よく「X」の形の図で表される。染色体は、糸状のDNAがタンパク質に巻きついて集まったかたまり。DNAはとても細く長く、そのままではもつれてしまうのでタンパク質に巻きついてかたまっている。
背中・・・背の中央。背骨のあたり。動物の胴体の背骨のある側。胸や腹と反対の面で、両肩の間から腰のあたりまでの部分。背(せ)。背面。
親指・拇・擘・・・1.手足の五本の指のひとつ。五本の端にあって、もっとも太い指。拇指。手の場合は手の平は地面に向けたときに、足の場合は直立したときに、一番内側に位置する。大指(おおゆび)。第一指。母指・拇指(ぼし)。巨擘(きょはく・きょへき)。擘指(はくし・へきし)。お父さん指。
2.一家の主人や亭主、親方などのこと。
人差し指・・・親指のとなりの指。親指と中指の間の指。人を指差すときに使う指。人に指示するや、何かを指し示すときに使う指。英語で index finger。食指(しょくし)。塩舐め指・塩嘗め指(しおなめゆび)。第二指(だいにし、親指から二番目のため)。
・・・1.鱗翅目(りんしもく[=ガやチョウなど])の昆虫でガ以外のものを総称。四枚の大きな羽を羽ばたかせひらひらと昼間に飛ぶ。止まった時の羽を直立して閉じる、口先がらせん状になっているなどガと区別する。ただし、生物学的には明確な違いはない。主に昼間活動する。ひらひらと飛ぶ様子は死者の魂に結び付けられることもある。古名で「かわひらこ」という。
2.紋所の名。1の蝶をかたどったもの。
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