私の髪と、なつかしい等のシャツのえりが川風で夢のようにぼんやりとなびいた。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:87% 作品を確認(amazon)
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はためく・翻る
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前後の文章を含んだ引用
......私はその腕の中で過ごした年月を近く遠く、想った。私たちはただ見つめ合った。二人をへだてるあまりにも激しい流れを、あまりにも遠い距離を、薄れゆく月だけが見ていた。私の髪と、なつかしい等のシャツのえりが川風で夢のようにぼんやりとなびいた。 等、私と話したい? 私は等と話がしたい。そばに行って、抱き合って再会を喜び合いたい。でも、でも──涙があふれた──運命はもう、私とあなたを、こんなにはっきりと......
単語の意味
川風・河風(かわかぜ)
靡く(なびく)
川風・河風・・・川辺の空気でできた湿った冷たい風。
靡く・・・1.草や藻、布などの長くて軟らかいものが、水や風の流に従って横に動く。
2.権力者の意思や命令に従う。また、女性が男性の言うことを受け入れる。
2.権力者の意思や命令に従う。また、女性が男性の言うことを受け入れる。
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リボンが、冷たい潮風に千切れそうに靡いている。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
大きい束髪に風を入れていた。
林芙美子 / 新版 放浪記
裾前が、風に動いて、黄色な裏地を見せていた。
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
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窓から緑の風が踊り込む
高橋 三千綱 / 涙 amazon
風が絶えず颯々と響きを立てて耳元を過ぎる
大岡 昇平 / 野火 amazon
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風も、どこから来たのか、どこかものすごく遠いところか、ものすごく近いところか、わからないくらいに自分を丸ごと取り巻いているように感じられる。恐ろしい臨場感だった。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
(ぶら下がった)前足を懸 け易 えて足懸 りを深くしようとする。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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