窓に近い舷 にざあっとあたって砕けて行く波濤 が、単調な底力のある震動を船室に与えて、船はかすかに横にかしいだ。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:41% 作品を確認(青空文庫)
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船・ボート
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前後の文章を含んだ引用
......け離れていないで、窓の向こうには光のない濃い灰色がどんよりと広がっているばかりだった。そして自分のからだがずっと高まってやがてまた落ちて行くなと思わしいころに、窓に近い舷 にざあっとあたって砕けて行く波濤 が、単調な底力のある震動を船室に与えて、船はかすかに横にかしいだ。葉子は身動きもせずに目にその灰色をながめながら、かみしめるように船の動揺を味わって見た。遠く遠く来たという旅情が、さすがにしみじみと感ぜられた。しかし葉子の目に......
単語の意味
波濤・波涛(はとう)
波濤・波涛・・・大きな波。高い波。
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川面を、しずかにすべって来る小舟
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
ただ小さな蒸気船が石油くさい波を立てながら右往左往しているきり
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