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(朦朧とした意識の状態から記憶がよみがえる)横たわっていると、記憶というものが少しずつ細い流れとして 蘇ってきて、懐かしい岸辺に流れつく舟のように私をかすかにつなぎとめるのだ。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:44% 作品を確認(amazon)
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失われた記憶がよみがえる
思い起こす・記憶をたどる
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前後の文章を含んだ引用
......よ、と言われたらああそうか、そうなんだな、と思える。ただ静かで、むき出しで、白紙だ。 私は、気が狂うのだろうか? と、こうなるといつでも思った。 しかしそうして横たわっていると、記憶というものが少しずつ細い流れとして蘇ってきて、懐かしい岸辺に流れつく舟のように私をかすかにつなぎとめるのだ。 寝る前に見た、おやすみという母の笑顔。 自分に、好きな人々がいること。 今はもう会えなくなった人達と、すばらしいひとときを過ごしたことがあること。 夏の夜の花......
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失われた記憶がよみがえるの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
タクシーのラジオから流れてくるその音楽を耳にして、すぐに「これはヤナーチェックの『シンフォニエッタ』だ」とわかったのだろう。そしてどうしてその音楽が、私の身体に激しい個人的な揺さぶりのようなものを与えたのだろう。そう、それはとても個人的な種類の揺さぶりだった。まるで長いあいだ眠っていた潜在記憶が、何かのきっかけで思いも寄らぬ時に呼び覚まされたような、そんな感じだった。肩を掴まれて揺すられているような感触がそこにはあった。とすれば、私はこれまでの人生のどこかの地点で、その音楽と深く関わりを持ったのかもしれない。その音楽が流れてきて、スイッチが自動的にオンになって、私の中にある何かの記憶がむくむくと覚醒したのかもしれない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
姉のその言葉に触発されたかのように、心の奥底でうごめくものがある。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
記憶していたことさえ知らずにいたある記憶が、意識の底の暗闇から遊離してゆっくりと浮かび上がってくる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
次第次第に夜が明けるように蘇 りはじめた。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
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牛河は記憶のアクセルを床まで踏み込み、頭脳をフルに回転させた。目を細め、雑巾を絞るように脳細胞を締め上げた。神経がきりきりと痛んだ。それから突然、その誰かが深田絵里子であることを知った。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
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(素晴らしい思い出)振り返ると、その時間も、いつの間にか、見違えるほど色鮮やかに、陰翳豊かに彼の過去を染め直しつつあった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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