ゆっくり力を入れ大きい声で明晰に返事したのに、風に吹き散らされ素子へ届かなかった。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:96% 作品を確認(青空文庫)
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よく聞こえない・不明瞭な音
強風・暴風
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前後の文章を含んだ引用
......を吹き廻す風の荒々しい、唸りだけ聞える。素子が幾分不安そうに前の俥の中から、 「――ひどいな――よっぽどあるんですか、まだ」 という声がした。 「もうあと三分の一」 ゆっくり力を入れ大きい声で明晰に返事したのに、風に吹き散らされ素子へ届かなかった。 「え?」 ときき返す声がしたが、伸子はもう黙って揺られていた。 翌朝、東縁の雨戸をあけると、素子は、 「ほう! こんないい景色のところだったんですか」 と、驚きを新た......
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よく聞こえない・不明瞭な音の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
階下からは、武内親子の話し声が、途切れ途切れに聞こえて来ていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
私の名を呼ぶ彼女の声がした。少しくぐもった不思議な響きだった。ちょうど天国の雲の上から、下界にいる私に呼びかけたような感じだった。
吉本 ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
風が強く、声はさらわれた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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強風・暴風の表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
風が赤い太陽を海に吹き落としそう
倉橋 由美子 / 倉橋由美子の怪奇掌篇 amazon
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右に左に、木々は首を振って、枯れた木の葉を散らし続ける。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
じっと耳を澄ましているとほんのわずかの風の切れめから女の声らしきものがちらりと聞こえたような気がしたが、それもあるいは僕の錯覚かもしれなかった。
村上春樹 / ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon関連カテ風の音強風・暴風よく聞こえない・不明瞭な音
女神の柔らかい舌に似た風
倉橋 由美子 / ポポイ amazon
「声・口調」カテゴリからランダム5
准尉の言葉はいまや猫の手のように柔らかだった。
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
懐からとり出した紙きれを、目の高さにひろげて持ち、卒業式の答辞を読む時のようにまじめくさった調子で読み出した。
石坂 洋次郎 / 石中先生行状記 amazon
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