二十五階からは、すべての建物を眼下に置くほどでもなく、夜の繁華街が美しいはずもない。交差点を通過する車のヘッドライトや、ビルの電飾が光っているだけだった。隣接する建物のせいで、空は狭い天井にしか見えない。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー 角川文庫 ページ位置:7% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
見下ろした風景
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......。 鯨は、椅子に座った男の後ろに立って、窓の外に目をやった。閉めたばかりのカーテンを五センチほどめくり、隙間から街を見下ろす。つまらない眺めだ、と思う。ホテルの二十五階からは、すべての建物を眼下に置くほどでもなく、夜の繁華街が美しいはずもない。交差点を通過する車のヘッドライトや、ビルの電飾が光っているだけだった。隣接する建物のせいで、空は狭い天井にしか見えない。 カーテンを戻し、後ろに向き直った。シングルルームとは思えない、広々とした部屋だ。鏡台やベッドにはいかめしい貫禄があり、清潔感もある。都内のホテルの中でも、高級......
単語の意味
眼下(がんか)
繁華(けんか)
眼下・・・見下ろした辺り一面。
繁華・・・花が咲き乱れること。また、人が多く集まってにぎやかなこと。
ここに意味を表示
見下ろした風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
二十五階の部屋だった。今までのどの眺めともちがい、見下ろすと野球のグラウンドが見え、高架の道路が走り、それらの空間の向うに高層ビルのいくつかが聳えていた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
窓の外には冷やかな初秋の闇が広がっていた。地上には黄色い小さな街の灯がどこまでも連なっている。上から眺めていると、それはたしかに踏みつぶされるのを待っているように見えた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
遥か真下に糸のような細さに見える渓流
中島 敦 / 中島敦 amazon
このカテゴリを全部見る
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
有島武郎 / 生まれいずる悩み
屋根屋根の上にぽっかり島のように浮かんだ山
安岡 章太郎 / 質屋の女房 amazon
同じカテゴリの表現一覧
地上・陸地 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ