かき揚げ丼はサクサクの衣が口の中でシャクシャクと崩れる。油を吸った小麦粉が香ばしく、甘辛醤油の染み込んだまだらのご飯は甘く、ところどころで小エビがムチムチと歯と歯の間につぶれ、小柱はキシキシと歯に軋む

一つ一つの素材の味ではなく、複合の味こそが美味の原点

カツ丼の卵はぼそぼそとタマネギにからまっているが水分はない。衣にはさくっとした食感が残っている。

（牛丼）甘辛の煮汁のたっぷりかかったゴハン、適度に脂を残した薄切りの牛肉、ゴハンと牛肉のはざまで、独自の戦いを進めている玉ネギ。三者相まってゆるぎない味をかもしだしている。

びっしり敷き詰められたいくらの下敷きになって米粒が行方不明といういくら丼

厚めのニジマスは美しいサーモンピンク。酢でしめているが、中トロのように脂が乗ってとろっとした舌触り。

注文した鉄火丼がテーブルの上に置かれる。一瞬目の前が真っ赤になった。赤にはドライな黒とウエットな白が点在している。四角の折りいっぱいに広がる鉄火の雄姿。

（牛丼）甘辛の煮汁のたっぷりかかったゴハン、適度に脂を残した薄切りの牛肉、ゴハンと牛肉のはざまで、独自の戦いを進めている玉ネギ。三者相まってゆるぎない味をかもしだしている。

ホタテのうまさがご飯に沁みているのに、ホタテそのもののうまさがまだ残っている

江戸前ずしの代名詞は何かと聞かれたらコハダと断言する職人は多い。瑞々しく輝くその姿は数ある寿司ダネの中でも特に美しい。