林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:81% 作品を確認(青空文庫)
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憎悪・憎しみ
やけくそ・自暴自棄
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前後の文章を含んだ引用
......を殺してしまいたいと云う事を考えている。私の小さい名誉なぞもう、ここまでにいたれば恢復 の余地なしだ。 奇怪な悶絶 しそうな生きかた! そして一文の金もないのだ。 獰猛 な、とどろくような思いが胸のなかに渦巻く。今夜の雪のように。雪よ降れッ。降りつもって、この街をうめつくして、ちっそくするほど降りつもるがいい。今夜も、この雪の夜も、どこかで子供を産んでいる女がいるに違いない。 雪と云うものはいやらしいものだ。そして、しみじみと悲しいものだ。泥んこの穴蔵のなかの道につらなる木賃宿の屋根の上にも雪が降っている。荒 さんで眼のたまをぐりぐり......
単語の意味
獰猛(どうもう)
渦巻く(うずまく)
胸(むね)
獰猛・・・乱暴な性格で、周りに危害を加えそうなさま。
渦巻く・・・1.水や煙がグルグルと回って渦になる。ある感情が心の中に渦のようにグルグルと存在する。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
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「憎悪・憎しみ」の表現・描写・類語(嫌いのカテゴリ)の一覧 ランダム5
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やけくそ・自暴自棄の表現・描写・類語(心が乱れるのカテゴリ)の一覧 ランダム5
地の底の地獄の門まで墜落してゆきたいようなやぶれかぶれな気持ち
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
治郎吉は、自分へ嗤 った。
吉川英治 / 治郎吉格子
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「胸に嫌悪感を覚える」の表現・描写・類語(心が乱れるのカテゴリ)の一覧 ランダム5
胸の底から吐き出すように 溜息 を 洩らした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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胸で感じる心の乱れの表現・描写・類語(心が乱れるのカテゴリ)の一覧 ランダム5
七尾は、自分の視界が狭くなるのが分かった。焦りのため、鼓動が早鐘を打ちはじめる。息が上がり、えもいわれぬ不安で胸が締め付けられる。頭を振った。どうする、どうする、と頭の中に囁き声が充満する。思考が、氾濫した水で押し流される。渦を巻き、思い浮かべた言葉や感情を、洗濯でもするかのようにごちゃまぜにする。七尾はその、焦燥感の洪水に身を任せた。激流が頭を搔き回す。もちろんほんのわずかな時間に過ぎず、たとえば、まばたきを数回するほどの間だったが、その奔流が止んだ途端、気持ちが切り替わった。頭の中の濁りが消え、思考や逡巡もなく、体が動く。先ほどとは打って変わり、視界が広くなる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
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彼は手術室の戸のノブを握った。だが、その時、戸の外にいた軍人たちのたかい笑い声がふたたび聞えた。彼等の姿やその笑い声は勝呂の心を圧倒し、逃路を防ぐ厚い壁のように思われた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
「我慢・諦め」カテゴリからランダム5
目の前においしそうな鰹節がころがっているのに、飼い主の監視がきびしくて手が出せないでいる猫のよう
井上 ひさし / モッキンポット師ふたたび amazon
ティエンは 和やかに食事をする一組の男女の後ろに立ち歯ぎしりをした。サユリは顔を上げて振り返った。背後の歯の音に気づいたかのようだった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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