部屋の中は火が消えたように淋しかった。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:58% 作品を確認(青空文庫)
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孤独・一人ぼっち
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......。 (二月×日) 新聞社に原稿をあずけて帰って来ると、ハガキが一枚来ていた。今夜来ると云う、あの男からの速達だった。十ちゃんも芳ちゃんも仕事を見つけに行ったのか、部屋の中は火が消えたように淋しかった。あんな男に金を貸してくれなんて言えたものではないではないか……、十ちゃんに相談をしてみようかと思う……、妙に胸がさわがしくなってきた。あのヴァニティケースだって......
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孤独・一人ぼっちの表現・描写・類語(寂しい・喪失感のカテゴリ)の一覧 ランダム5
触れ合うことのない深い孤独の底で、今度こそ、ついに本当のひとりになる。 人は状況や外からの力に屈するんじゃない、内から負けがこんでくるんだわ。と心の底から私は思った。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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「もし摩擦がなかったら」とその本には書いてあった。「自転の遠心力で地球上の何もかもが宇宙に吹き飛ばされてしまうでしょう」と。僕は実にそんな気分だった。《…略…》君がいないと僕は遠心力で宇宙の端っこの方に吹き飛んでいってしまいそうな気がするんだ。お願いだから僕に顔を見せて、僕を何処かにつなぎとめてほしい。現実の世界につなぎとめてほしいんだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
彼女がアパートを出ていってしまってから既に一ヵ月が経っていた。その一ヵ月には殆んど何の意味もなかった。ぼんやりとして実体のない、生温かいゼリーのような一ヵ月だった。何かが変ったとはまるで思えなかったし、実際のところ、何ひとつ変ってはいなかったのだ。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
絃に背を向けられると月の裏側にいるみたいに冷える。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
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