赤いシルクの布地に小さくて丸い鏡がびっしり埋められた、くるぶしまでもあるインドドレス

（紺色のベルベットのワンピース）そのワンピースが王女に 相応しい風格を持っていたのは間違いない。ベルベットの光沢は宇宙のように奥深く、襟とカフスの白色は純粋そのもので、裾に向かって広がるギャザーが優美な曲線を描き出している。

背中の大きく開いたドレス

女はメヌエットでも踊るように、ドレスの 裾 をつまんで私に向けた。

サユリはふわりと腰を降した。ドレスの裾はこうもり傘のように拡がった。

若い芽をおもいきり発芽させたような、みちがえるばかり美しくなった妻

実在不可能とも形容すべき絶世の美少女

他の女子生徒と比べても、ひときわ魅力を放っている

息を呑むような美人

街に遊びに行くと、自分ではなくまずまっさきに亜美ちゃんに視線が集まる

目覚めるような臈たけた美しさ

（幼児になった睦子）色の白い──目が、いや口も鼻も耳も、なにもかもが睦子の精巧な人形のように小さくて可愛らしくて、こわれてしまいそうに見えた。

二十一歳の肉体は、性への期待や憧れを、ゆるやかな潮の満ち干のように繰り返す

何も知らない、神のような少女

古い家に生まれた富士子は、いかにもその家柄を背負ったように落ちつきはらって

女の小きざみな軽い下駄の音

それがすみれだということが、最初見たときにはわからなかった。彼女はスタイルを一新していたからだ。

薄手のシャツ一枚という軽装

フレアスカートの裾を美しくひるがえして部屋を出て行く。

清潔で身だしなみは良いが、おそらく服装なんぞに興味がないことを世界に示すためだろう、常に似たような服しか着ない。ツイードのジャケットに、白のオックスフォード綿のシャツか淡いグレーのポロシャツ、ネクタイはなし、グレーのズボン、スエードの靴、それがユニフォームのようなものだ。色と生地と柄の大きさがそれぞれわずかに異なるツイードの三つボタンジャケットが半ダースばかり、丁寧にブラシをかけられ、自宅のクローゼットに吊されている光景が目に浮かぶ。見分けをつけるために番号だって振られているかもしれない。