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「それなのに──」 言葉の終わりを 吞 み込んだように、尾畑理恵は黙り込んだ。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 ページ位置:55% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
言葉を飲み込む・言いかけてやめる
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前後の文章を含んだ引用
......考えても、弟の姿が浮かんでこないんです。あの子が何をしていたのか、はっきり覚えていないんです」「そんな馬鹿な」 その途端、彼女が怒ったような目つきで間島を見た。「それなのに──」 言葉の終わりを吞み込んだように、尾畑理恵は黙り込んだ。 間島は言った。「それなのにとは、何をおっしゃりたいんですか」 尾畑理恵が憂いに満ちた眼差しを返してきた。「あの日のことを訊いても、母は何も教えてくれないんです......
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(店内で二人の沈黙が続いて、)音楽が消えると、人々の話し声が奇妙な硬質さを帯びたように感じられた。それは漠然とした硬質さだった。実体が柔らかいのに、存在の状況が硬質なのだ。そばに来るまではとても固そうに見える。でも体に当たると柔らかく砕けてしまう。それは波のように僕の意識を打っていた。ゆっくりとやってきて意識を打ち、そしてひいていった。それが何度も何度も繰り返された。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
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言葉を飲み込む・言いかけてやめるの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
伸子は何か云おうとして口を開きかけたが、そのまま黙って息を吸い込んだ。
宮本百合子 / 伸子
何か意見を言おうとしたが、思い直してやめた。その意見は口にされないまま、もとあった場所にひっそりと沈み込んでいった。どこだかわからないが、深くて暗いところだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
(何を言っても誰も)自分の今の心を理解してくれまいという気持が、言いかけた言葉を 咽喉 に押しもどした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
マラソン選手が決勝点へたどりつくような、激しい息づかい
中村 真一郎 / 夜半楽 (1959年) amazon
とても早口で云い、その口調は何故だか張り切ってはいるのだけれども、声が少しずつうわずるというか高くなっていくようでもあり、さかんに唇を舐めながら話すので、細かい唾液がパンフレットのうえにぷっぷとついて
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
序曲的な会話
有島武郎 / 或る女
奴隷のように彼の御機嫌を伺わなければならなかった。
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
ころんとサイコロを振るように言った。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
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