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良い小説さ。自分にとってね。俺はね、自分に才能があるなんて思っちゃいないよ。しかし少くとも、書くたびに自分自身が啓発されていくようなものじゃなくちゃ意味がないと思うんだ。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 ページ位置:69% 作品を確認(amazon)
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......これから何をする?」 鼠はタオルで足を拭きながらしばらく考えた。「小説を書こうと思うんだ。どう思う。」「もちろん書けばいいさ。」 鼠は肯いた。「どんな小説?」「良い小説さ。自分にとってね。俺はね、自分に才能があるなんて思っちゃいないよ。しかし少くとも、書くたびに自分自身が啓発されていくようなものじゃなくちゃ意味がないと思うんだ。そうだろ?」「そうだね。」「自分自身のために書くか……それとも蟬のために書くかさ。」「蟬?」「ああ。」 鼠は裸の胸に吊したケネディー・コインのペンダントをしばら......
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文字を書く・執筆するの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
かすれた文字をつらねて
林芙美子 / 新版 放浪記
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小説の表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(小説を書く)戦国時代を背景にした小説……ことに、戦場のシーンを書きつづけているときなどは、威張り返って荒々しい挙動をするそうだし、また〔鬼平氏〕が酒なぞをのんでいるところを書いているときは、二匹の飼猫にもやさしいそうだ。 前にものべたことだが、それだけに一つの仕事から別の仕事へ移るときの気分転換にはまったく苦労する。 理論的に人物を描くことが不得手な私は、できぬまでも、それぞれの人物になりきろうとする。その気分が醸成されるまでは、どうしてもペンがうごいてくれぬ。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
物語は人の心の奥底にある。小説を書くときは、その深い場所に下りていく。
2013.5.6 村上春樹の京都大学での講演
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
(すらすらと小説を書く)頭の中にあるものを次から次へと文章に移しかえることができた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
(がっちり握手)握力が強過ぎるゴリラ同士の握手みたい
又吉 直樹 / 火花 amazon
「言葉・話」カテゴリからランダム5
(人物の断片的な情報をまとめ上げる)城戸は、自分が向き合っているパソコンのワープロソフト上で、これまで遍在し、ただ失われるに任せていた原誠という人物が、言葉によって出現し、再び確かに存在してゆくのを実感した。弁護士としての彼の仕事は、基本的にはそうして、起きたこと、それに関係した人を言葉にすることだったが、裁判で起案をするのとは違って、目的に 収斂 させることなく、無駄と思えるような細部に至るまで、極力書き留めようとした。それは、火葬場で、愛する人間の遺骨を、少しでも多く拾い集めようとする遺族の心情に近かった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
身辺の日常をかき流して行くふうの気楽な書き方
藤枝 静男 / 或る年の冬 或る年の夏 amazon
「道具・家具」カテゴリからランダム5
食卓の上に、セルロイドを小さな短冊に切って一束にした〔品がき〕があって、これをめくりながら、食べるものを決める。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
過去であるぶんにはすべて変わりがないのに、そこに漂う空間の色は、生きているかのように迫ってくる。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
火のない長火鉢
林芙美子 / 新版 放浪記
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