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泣きそびれてしまったのだ。ただ、心ががらんとした。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 ページ位置:41% 作品を確認(amazon)
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喪失感(大切なものを失う)
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前後の文章を含んだ引用
......。と、暗い窓の外を見て思った。家に駆けつけるわけにもいかず、駆けつけても仕方がないのか、と部屋から窓の外をずっとぼんやり見ていた。手足がぎくしゃくした。それで、泣きそびれてしまったのだ。ただ、心ががらんとした。 その頃、いちばんひんぱんに友子の夢を見ていた。どんなに浅い眠りにも、ちょっとしたしぐさや面影の印象が残った。寝ても覚めても友子のことが頭から離れなかったので、......
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喪失感(大切なものを失う)の表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
目に映るものはそこにたまたまある現実の風景でしかなくなり、聞こえてくるのは現実の音だけだった。あんなに心の中で豊かに息づいていたはずの世界は、乳色の霧にまかれたように、その輪郭すら見えなくなっていた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
自分の肉体のたった一つの謬着物 をもぎ取られて、永遠に帰らぬ世界へ持ち去られるような気持ち
岡本かの子 / 渾沌未分
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「心」の言葉を含む悲しみの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(喪失感をまぎらすためにジョギングを始めた私と亡くなった彼女のセーラー服を着て過ごす柊という男)彼のセーラー服は私のジョギングだ。全く同じ役割なのだ。私は彼ほど変わり者でないので、ジョギングで充分だっただけのことだと思う。彼はそのくらいでは全くインパクトに欠けて自分を支えるにはもの足りないのでバリエーションとしてセーラー服を選んだ。どちらもしぼんだ心にはりを持たせる手段にすぎない。気をまぎらわせて時間をかせいでいるのだ。 私も柊もこの二カ月で、今までしたことのない表情をするようになった。それは失ってしまったものを考えまいと戦う表情だった。ふっと思い出して突然に孤独が押してくる闇の中に立っていると知らず知らずのうちにそういう顔になってしまうのだ。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
手おくれになった手術のようで、死を待つばかりの心細さ
林芙美子 / 新版 放浪記
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「悲しみ」カテゴリからランダム5
去って行く船を見てるみたいな気持ちがする
よしもとばなな / 姉さんと僕「まぼろしハワイ」に収録 amazon
栄子があまりにも栄子らしいことを言ったので、宴席半ばにしてはじめて本当に〝懐かしい、久々に会った〟という感じがした。 栄子の 芯 に触れたような感じだ。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
早く刺されたいと、十和子の手で解放されたいと、心待ちにしている
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
血を流して横たわり、しだいに『もの』になって行く母の様子
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
狐につままれたような味気ない死にざま
檀 一雄 / リツ子・その愛 amazon
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