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垣のように水平線をぐるりと取巻いて、立ち騰ってはいつか潰 える雲の峯の、左手に出た形と同じものが、右手に現れたと思うと、元のものはすでに形を変えている。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:94% 作品を確認(青空文庫)
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地平線・水平線
積乱雲・入道雲・雷雲
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前後の文章を含んだ引用
......な一鉢の水の上を、無窮に浮き進んで行く。舳 の斜の行手に浪から立ち騰 って、ホースの雨のように、飛魚の群が虹のような色彩に閃 めいて、繰り返し繰り返し海へ注ぎ落ちる。垣のように水平線をぐるりと取巻いて、立ち騰ってはいつか潰 える雲の峯の、左手に出た形と同じものが、右手に現れたと思うと、元のものはすでに形を変えている。 積荷の塩魚のにおいの間から、ふとすると、寒天や小豆粉のかすかなにおいがする。陸地に近づくと大きな蝶が二つ海の上を渡って来る。 「この絢爛 な退屈を何十度となく繰り......
単語の意味
峰・峯・嶺(みね)
ぐるり
垣(かき)
左手(ひだりて)
右手(みぎて)
ぐるり・・・1.周囲。まわり。あらゆる方向。
2.物が一回転するさま。物の周りを一回転するさま。ぐるっと。
2.物が一回転するさま。物の周りを一回転するさま。ぐるっと。
垣・・・自分の土地と他人の土地など、敷地を分けるため隔てる仕切りや囲い。垣根。塀。
左手・・・1.左の手。 ⇔ 右手(みぎて)。
2.左の方向。左側。
2.左の方向。左側。
右手・・・1.右の手。 ⇔ 左手(ひだりて)。
2.右の方向。右側。
2.右の方向。右側。
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青磁色の水平線
岡本かの子 / 河明り
海を分母に、空を分子にしたら、1を超えるのだろうか。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
土手の向こうで、細長い海が水色の空と混じり合っていた。貨物船がいくつか浮かんでいた。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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積乱雲・入道雲・雷雲の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
夏の終わりの入道雲には、やんちゃ坊主のあがきのようなおかしさがある
竹西寛子 / ひとつとや amazon
花キャベツのような形をした入道雲
大仏 次郎 / 宗方姉妹 (1954年) amazon
夏のような立派な雲の峰が東でむくむく盛りあがり
宮沢賢治 / 風の又三郎
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見渡す限りの砂だ。風紋の刻まれた砂漠は海を連想させる。けれども、遠いどこかに向かっていっせいに打ち寄せていく無数の波は、立ち上がったままの姿で死んでいる。海水のなかに 夥しい奇妙な生命がうごめいているように、砂は、内部に死滅した時間を沈めて充実している。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
西へ耳のように張り出した半島
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
この大平と云う所は庚申山の南側で天気のいい日に登って見ると赤松の間から城下が一目に見下 せる眺望佳絶の平地で
夏目漱石 / 吾輩は猫である
「空・中空」カテゴリからランダム5
月の全体の形も頭蓋骨に似ている。白銀の頭蓋骨だ。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
眼下には金色の絨毯のような雲がひろがり
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
糸で留めたような頼りない星の光
高樹 のぶ子 / 光抱く友よ amazon
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