防波堤を打ち、コンクリートの護岸ブロックのあいだを縫うように引いていく冬の波
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:95% 作品を確認(amazon)
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波
漁港・波止場
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......まりがゆっくりと巡った。 眠りたかった。 眠りが何もかもをさっぱりと消し去ってくれそうな気がした。眠りさえすれば……。 目を閉じた時、耳の奥に波の音が聞こえた。防波堤を打ち、コンクリートの護岸ブロックのあいだを縫うように引いていく冬の波だった。 これでもう誰にも説明しなくていいんだ、と鼠は思う。そして海の底はどんな町よりも暖かく、そして安らぎと静けさに満ちているだろうと思う。いや、もう何も考え......
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波の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
清らかな白波に月光がきらめき、月の中のうさぎが波間を走るかのように見える
白洲 正子 / 能の物語 amazon
何千匹の鱶(ふか)のよう白い歯をむいてくる波
小林 多喜二 / 蟹工船 amazon
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漁港・波止場の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
遠くには巨大な港があった。何本ものクレーン、浮ドック、箱のような倉庫、貨物船、高層ビル、そういったものが見渡せる。右手には内側に向って湾曲した海岸線に沿って、静かな住宅街やヨット・ハーバー、酒造会社の古い倉庫が続き、それが一区切りついたあたりからは工業地帯の球形のタンクや高い煙突が並び、その白い煙がぼんやりと空を被っていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
強い潮の香に混って、瀝青 や油の匂いが濃くそのあたりを立て罩 めていた。
梶井基次郎 / 冬の蠅
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「店・施設」カテゴリからランダム5
(ウエイトレスに)南京鼠 の匂いでもしそうな汚いエキゾティシズムが感じられた。そしてそれはそのカフェがその近所に多く住んでいる下等な西洋人のよく出入りするという噂 を、少し陰気に裏書きしていた。
梶井基次郎 / ある崖上の感情
砂場と水飲み場だけの公園
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
(夜の)滑走路は全ゆる種類の光に充ちていた。探照灯が束になって旋回し、建物の窓という窓は輝き、等間隔で並ぶ誘導灯が点滅する。ジェット機はあたりを震わす轟音をあげ、ピカピカに磨かれて滑走路の端に待機している。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
(まりも)ビロードでこしらえたような丸い藻
宮本百合子 / 伸子
大小の鯨のような岩が波をかき回す
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
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