TOP > 風景表現 > 時間帯(朝・昼・夜) > 日の入り・日没
落日を見ようとする切なさに駆 られ
梶井基次郎 / 冬の蠅 ページ位置:24% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
日の入り・日没
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......毎日自分の窓の風景から消えてゆく日影に限りない愛惜を持っていた。私は墨汁のようにこみあげて来る悔恨といらだたしさの感情で、風景を埋めてゆく影を眺めていた。そして落日を見ようとする切なさに駆 られながら、見透しのつかない街を慌 てふためいてうろうろしたのである。今の私にはもうそんな愛惜はなかった。私は日の当った風景の象徴する幸福な感情を否定するのではない。......
単語の意味
落日(らくじつ)
落日・・・沈もうとしている太陽。入り日。落陽。落暉(らっき)。
ここに意味を表示
日の入り・日没の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
窓の外の風景が次第に蒼ざめた空気のなかへ没してゆく
梶井基次郎 / 冬の日
山々が夕陽の最後の光を映して薄紫に輝き、頂きのなだらかな線をしばらく黒く強く暮れ残る薄白い夕の空にきわだって見せていたが、やがて潮が引くように次第に暮の色が山並から下りて来る。
野間宏 / 第三十六号「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
太陽は向うの丘に隠れ、頂上に並んだ樹の間から、光線が 縞 をなして 迸った。空に残った雲だけ、まだ金色に光っていた。我々は 暫く光る雲に照されていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
紗 のかかったように 昏れなずむ町
浅田次郎 / オリヲン座からの招待状「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
夜半の空気が部屋中に濃く満ちて、息をひそめていた。遠くを渡ってゆく風の音がしきりに聞こえた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
淡い藍色の闇が水で溶いたインクのように山の斜面を覆っていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
時間帯(朝・昼・夜) の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ