路上に置かれた薄紙が、風が吹くたびにひらりひらりとめくれる。まさにそういう具合に、鈴木の心は浮き足立っていた。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー ページ位置:91% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
落ち着かない
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......んです、常識的な倫理的な生活はさっぱり捨てて、それで《令嬢》に勤めることにしたんです。口を開けるとその途端に、止めどなく言葉が流れ出しそうで、いったんは黙った。路上に置かれた薄紙が、風が吹くたびにひらりひらりとめくれる。まさにそういう具合に、鈴木の心は浮き足立っていた。揺れが収まったかな、とひと息つくと、すぐに風が吹いて、興奮が過ぎる。じっと押し黙り、風が止むのを待つ。じっとしすぎると今度は眠くなる。厄介な状態だった。 鈴木の......
単語の意味
浮き足立つ(うきあしだつ)
浮き足(うきあし)
浮き足立つ・・・浮き足(=かかとを上げて、次の行動に移ろうとしている足)で立っていること。転じて、恐れや不安を感じて落ち着きがなくなる。逃げ腰になる。
浮き足・・・1.浮いている(=固定されずにふわふわしている)足の状態。足のつま先だけが地面について、しっかり踏んでいない足。また、かかとを上げて、次の行動に移ろうとしている足。逃げ腰の態度。
2.水泳で、足を浮かせて泳ぐこと。
3.足(=相場の動きぐあい)が浮いている(=(=固定されずにふわふわしている)こと。取引で,相場が一定せず変動が激しいこと。
4.相撲で、土俵から離れて浮いている方の足。また、つま先だけが地面について、かかとの上がった状態。
2.水泳で、足を浮かせて泳ぐこと。
3.足(=相場の動きぐあい)が浮いている(=(=固定されずにふわふわしている)こと。取引で,相場が一定せず変動が激しいこと。
4.相撲で、土俵から離れて浮いている方の足。また、つま先だけが地面について、かかとの上がった状態。
ここに意味を表示
落ち着かないの表現・描写・類語(心が乱れるのカテゴリ)の一覧 ランダム5
宮本武蔵が五条の橋へこなかった時のような、そわそわ片づかない気もちがした。
森田 たま / もめん随筆〈続〉 amazon
これを飲めば、女は鎖が解けたみたいに乱れるさ。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
このカテゴリを全部見る
心が乱れるの比喩表現の例文 一覧 ランダム5
七尾は、自分の視界が狭くなるのが分かった。焦りのため、鼓動が早鐘を打ちはじめる。息が上がり、えもいわれぬ不安で胸が締め付けられる。頭を振った。どうする、どうする、と頭の中に囁き声が充満する。思考が、氾濫した水で押し流される。渦を巻き、思い浮かべた言葉や感情を、洗濯でもするかのようにごちゃまぜにする。七尾はその、焦燥感の洪水に身を任せた。激流が頭を搔き回す。もちろんほんのわずかな時間に過ぎず、たとえば、まばたきを数回するほどの間だったが、その奔流が止んだ途端、気持ちが切り替わった。頭の中の濁りが消え、思考や逡巡もなく、体が動く。先ほどとは打って変わり、視界が広くなる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
このカテゴリを全部見る
「心が乱れる」カテゴリからランダム5
同じカテゴリの表現一覧
心が乱れる の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ