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コートを貸してやった女は、とうとう帰って来なかった。一夜の足留りと、コートを借りて、蛾 のように女は他の足留りへ行ってしまった。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:16% 作品を確認(青空文庫)
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出会いと別れ
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前後の文章を含んだ引用
......合財が煙だ砂だ泥だ。私はエプロンの紐 を締めなおすと、陽気に唄を唄いながら、海底のような階下の雑沓 の中へ降りて行った。 (七月×日) 朝から雨なり。 造ったばかりのコートを貸してやった女は、とうとう帰って来なかった。一夜の足留りと、コートを借りて、蛾 のように女は他の足留りへ行ってしまった。 「あんたは人がいいのよ、昔から人を見れば泥棒と思えって言葉があるじゃないの。」 八重ちゃんが白いくるぶしを掻 きながら私を嘲笑 っている。 「ヘエ! そんな言葉があっ......
単語の意味
蛾(が・ひひる・ひむし)
蛾・・・鱗翅目(りんしもく[=ガやチョウなど])の昆虫のうち、蝶以外のものを総称。止まった時の羽が水平になる、口先がらせん状になっていないなどで蝶と区別する。ただし、生物学的には明確な違いはない。主に夜活動する。きわめて種類が多く、日本だけで5000種ほどいる。「ひひる」「ひむし」はガの古称。特に、蚕(かいこ)のものをいう。
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心斎橋筋の人波の中で、弘美は振り返って何度も手を振り頭を下げた。姿が見えなくなると、邦彦は不思議な寂しさを感じた。もう二度と逢うことのない人が、いままさに去って行ってしまったという 寂寥 感 であった。
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