しんみりした口調で、(それは慈悲深いとでも形容したいほど、もの静かな口調でした)
太宰治 / 人間失格 ページ位置:94% 作品を確認(青空文庫)
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優しい言い方・丁寧な口調
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前後の文章を含んだ引用
......で、自分は完全に打ち破られ、葬り去られてしまったのです。 自分は自動車に乗せられました。とにかく入院しなければならぬ、あとは自分たちにまかせなさい、とヒラメも、しんみりした口調で、(それは慈悲深いとでも形容したいほど、もの静かな口調でした)自分にすすめ、自分は意志も判断も何も無い者の如く、ただメソメソ泣きながら唯々諾々と二人の言いつけに従うのでした。ヨシ子もいれて四人、自分たちは、ずいぶん永いこと......
単語の意味
慈悲(じひ)
慈悲深い(じひぶかい)
しんみり(しんみり)
慈悲・・・相手をいつくしみ、悲しむこと。かわいがり、かわいそうに思うこと。また、情け深いこと。
慈悲深い・・・他人に愛情を注ぎ、かわいがる気持ちが強い。情け深い。
しんみり・・・1.落ち着いて心静かなさま。しみじみ。
2.その場の雰囲気が何となく悲しい感じになるさま。気持ちが沈んで陰気なさま。しめやかなさま。
2.その場の雰囲気が何となく悲しい感じになるさま。気持ちが沈んで陰気なさま。しめやかなさま。
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世慣れした人に特有の慈悲深くなだめるような口調
太宰 治 / 津軽 amazon
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棺の蓋も開くかと思われるような絶叫
有吉佐和子 / 華岡青洲の妻 amazon
兄との電話で話すのは、自分の学校生活のささいなことが多く、あまり深い話にはならない。深まらない、長い話がだらだらと続く。意味がなくて記憶からもこの世の事実からも消えていくような話を連ねて連ねて長さだけが延びていくような兄との電話が知花は好きだった。
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乾杯もせず、それぞれが黙って一口飲む。グラスを口から離して、カタンとテーブルに置く三人のタイミングが申し合わせたようにぴったり同調して、妙にきまり悪い思いをする。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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