野良猫や野良犬が、白いほこりっぽい道をかけていった。

自動車がかろうじてすれ違える程度の細い車道

車がすれ違えないようなせまい道

（道幅が広い）区劃整理の後、道幅が広くなり過ぎて、夜遅くなど歩道を向う側へ渡ろうとすると曠野を歩いている様な気がする。

けたたましいサイレンとともに近寄ってきたパトカーが、我に返ったかのように音を止め、停車する。赤色灯が、逮捕劇を盛り上げる照明装置に見えた。

公園の芝生を縁どる散歩道

足が凍った土にとられて、スッテンコロリンと転がった

急いでいた。近道を、と思って普段めったに通らない裏通りの急な階段を駆け降りて行った。

うるさく折れ曲る急な 山道

私の眼はひとりでに下へ落ちた。径の傍らには種々の実生（みしょう）や蘚苔（せんたい）、羊歯（しだ）の類がはえていた。この径ではそういった矮小（わいしょう）な自然がなんとなく親しく――彼らが陰湿な会話をはじめるお伽噺（とぎばなし）のなかでのように、眺められた。