小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:37% 作品を確認(青空文庫)
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霧・かすみ・もや
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前後の文章を含んだ引用
......に、皆の心に入りこんだ。 「おい、もう止 せよ」 船頭は、皆が変にムキにその話に引き入れられているのを見て、一生懸命しゃべっている若い漁夫の肩を突ッついた。 靄 が下りていた。何時も厳しく機械的に組合わさっている通風パイプ、煙筒 、ウインチの腕、吊 り下がっている川崎船、デッキの手すり、などが、薄ぼんやり輪廓をぼかして、今までにない親しみをもって見えていた。柔かい、生ぬるい空気が、頬 を撫 でて流れる。――こんな夜はめずらしかった。 トモのハッチに近く、蟹の脳味噌の匂いがムッとくる。網が山のように積 さっている間に、高さの跛 な二つの影が佇 んでいた。 過労から......
四
単語の意味
厳めしい・厳しい(いかめしい)
頬(ほお・ほほ)
厳めしい・厳しい・・・雰囲気が立派すぎて、威圧感さえ感じる。甘えや妥協など許されない感じで、近寄りにくい。
頬・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
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往き来の人や車が、幻影のように現れては幻影のように霧のうちに消える
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
白い靄(もや)の中に重なり合った帆柱やクレーンが、工場地帯の煙突のように見える
吉行 淳之介 / 砂の上の植物群 amazon
絵の具のような灰色の霧が視界を閉ざす
加賀 乙彦 / フランドルの冬 amazon
うすいこの頃の牛乳みたいな、朝もや
サトウ ハチロー / 青春風物詩「青春風物詩―ハチロー半生記 (1952年) (ユーモア小説全集〈第3〉)」に収録 amazon
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その林を閉ざして、 硝子 絵 に水が伝うように、静かに雨が降り出した。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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