荒れた桜の森にかまびすしく 油蝉 の鳴く、真夏の午後
浅田次郎 / 悪魔「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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夏
蝉(せみ)
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前後の文章を含んだ引用
...... 橋口君はキャンパスの銀杏の木の下で吸入器をくわえながら、今にも消え入りそうな声でたしかにそう言った。 悪魔がついに正体を現したその日のことを、僕は忘れない。 荒れた桜の森にかまびすしく油蝉の鳴く、真夏の午後のことだ。僕と母は風の通る大広間の中央に籐の枕を並べて昼寝をしていた。倦怠は暑さのせいでも、閑暇のせいでもない。僕と母はほとんど魂を抜かれて、もう何をすることも......
単語の意味
喧しい・囂しい(かまびすしい)
真夏(まなつ)
喧しい・囂しい・・・やかましい。
真夏・・・夏の一番暑いころ。夏の盛り。
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夏の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
一ふきの風も動かぬ、もーっと水蒸気のかかった八月の暑さ
宮本百合子 / 伸子
やわらかな新緑に体ごと染まってしまいそうな初夏
竹西寛子 / ひとつとや amazon
全てがまぶしく光って見える真夏の街中は熱気がこもっているような感じだった。渋滞した道路も、ぴたりと動かない街路樹の影も、ビルの形も、みな暑さをこらえているようだ。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
キリギリスがあちらこちらで、かすれた声をあげて鳴いている。それを聞いているのはひどく息苦しかった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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蝉(せみ)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
何千匹もの蟬が時計のねじを巻くみたいに鳴いていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
百日紅 の樹にまた つくつく法師がとまって鳴きはじめた。その声も風のなぐころにはとまった
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
(セミの鳴き声が)三重四重、五重にも六重にも重なって鳴いている。
梶井基次郎 / 城のある町にて
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夏目漱石 / 吾輩は猫である
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
蟬 が病室のむこうで息ぐるしい程、鳴いていました。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
煮えつくような蝉の声の中にじっと坐って
夏目 漱石 / こころ amazon
褐色の厚ぼったい羽をふるわせる蛾
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
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