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外は真暗闇だ。切れては走る窓の風景に、私は目も鼻も口も硝子 窓に押しつけて、塩辛い干物のように張りついて泣いていた。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:11% 作品を確認(青空文庫)
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泣く・涙を流す
失恋・恋人と別れる
車窓からの風景
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前後の文章を含んだ引用
......ておくれ、 そして石を積んでくれ そして私を胴上げして 石の城の上に乗せておくれ。 さあ男とも別れだ泣かないぞ! しっかりしっかり旗を振ってくれ 貧乏な女王様のお帰りだ。 外は真暗闇だ。切れては走る窓の風景に、私は目も鼻も口も硝子 窓に押しつけて、塩辛い干物のように張りついて泣いていた。 私は、これからいったい何処 へ行こうとしているのかしら……駅々の物売りの声を聞くたびに、おびえた心で私は目を開けている。ああ生きる事がこんなにむずかしいものなら......
単語の意味
風景(ふうけい)
暗闇(くらやみ)
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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泣く・涙を流すの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
火の付くように泣声を高くする。
梶井基次郎 / 城のある町にて
(すすり泣き)誰のためでもない、ただ自分一人きりのための、ひっそりとした泣き声だった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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失恋・恋人と別れるの表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(面と向かって別れを告げられて)わたしは彼から視線をはずし、目の前に置かれたストロベリー果汁入りシャンパンの、優雅で細長いグラスを見つめた。まるで目と鼻の先にあるにもかかわらず、決して飲むことが許されない飲み物を眺めているようでもあった。頭の芯がぐらりと揺れ、遠近感が失われた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
奈世のいなくなった部屋は、もともとは僕が一人で住んでいたにもかかわらず、妙にがらんとして、彼女のぬけがらがそこらじゅうに落ちている、雑然とした状態だった。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
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車窓からの風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ホームに着く直前、列車はトンネルに入る。 その時、窓は女の鏡となった。《…略…》鏡がすうっと消えた。そのかわり、冬の陽ざしがあたるホームが、久仁子の目の前に拡がってきた。
林 真理子 / 京都「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
眼に蓋をするように、冷たい石垣が《…略…》視野一杯に滑りこんで来る。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
背中の荷物をゆすぶりあげて歩く。蝸牛 のような私のずんぐりむっくりした影。
林芙美子 / 新版 放浪記
巻き戻しのように上手に後ずさっていってしまう
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
長い梯子を立てると、するすると蛇のように屋根へ上って行った。
藤森成吉 / 雲雀 amazon
「泣く」カテゴリからランダム5
悠人は、胸の 痙攣 を 堪えながら、赤らんだ目を何度も拭った。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
「恋愛」カテゴリからランダム5
(騎乗位)彼女はつくるの上にまたがり、彼の硬く直立した性器を手にとって、手際よく自分の中に導いた。それはまるで真空に吸い込まれるように、何の抵抗もなく彼女の中に入った。それを少し落ち着かせ、息を整えてから、彼女は複雑な図形を宙に描くようにゆっくり上半身を回転させ、腰をくねらせた。長いまっすぐな黒髪が、鞭を振るうように彼の頭上でしなやかに揺れた。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
彼女が上等な絹の靴下や下着を選んでいるところを見ていると、わたしはなんだかすうっと息苦しくなってきます。額に汗さえにじんでくる。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
野呂は乾ききっていたわたしの口の中を甘い蜜のような水で潤し始めた。おかしな言い方かもしれないが、実際、それは、〝舐めとるような〟キスだった。乾いたもの……例えばビスケットのようなものを舐めて舐めて潤して、充分に濡らしてやわらかくしてから食べ尽くそうとするかのような……。 自分の口の中が、次第に彼の蜜で潤わされていくのを感じた。彼の唇のやわらかさ、なめらかさは信じられないほどだった。わたしは砂漠に降る雨を思った。砂が水を吸いこんでいく時の、あの幸福な静けさがわたしを包んだ。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
両側の萩の江向(えむかい)の町の古ぼけた軒並みを、重い囚衣のように感じながら。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
ここはもはや下界ではない
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
「乗り物」カテゴリからランダム5
止まるバイクに、いくつかの後続車が倣う。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
球場の真上を流れ星のように横切っていった飛行機のランプ
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
ロケットはみるみるスピードを上げ、分厚い雲に向かって射られた巨大な矢のようになった。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
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