有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:81% 作品を確認(青空文庫)
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懐かしい・懐かしく思う
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前後の文章を含んだ引用
......いた手を休めて、部屋 のまん中に立ってあたりを見回して見た。しぼんだ花束が取りのけられてなくなっているばかりで、あとは横浜を出た時のとおりの部屋の姿になっていた。旧 い記憶が香 のようにしみこんだそれらの物を見ると、葉子の心はわれにもなくふとぐらつきかけたが、涙もさそわずに淡く消えて行った。 フォクスルで起重機の音がかすかに響いて来るだけで、葉子の部屋は妙に静かだ......
単語の意味
香(こう)
香・・・かいでいい匂いがするもの。いい匂いがする物質(香料)を練り固めたもの。火をつけて煙を立ちのぼらせて、香りをたたせるもの。ねり香。お香。
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夫に対する愛と憎の輾転反側 が伸子の心にまた力を盛りかえした。
宮本百合子 / 伸子
博士はルートをほめるのに、労力を惜しまなかった。ほめている間に、どんどん時間だけが過ぎて、宿題が一向にはかどらなくても焦らなかった。ルートがどんなに愚かな袋小路へ入り込んだ時でも、川底の泥から一粒の砂金をすくい上げるように、小さな美点を見出だした。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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