笑い方もぎごちなかった。見映えのしない平べったい目鼻立ちは、笑うことを 億劫 がっているように見えた。
向田邦子 / だらだら坂「思い出トランプ（新潮文庫）」に収録 ページ位置：4% 作品を確認（amazon）
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暗い性格・陰気
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前後の文章を含んだ引用
......、トミ子はゆっくりと首を振った。「嫌でないのなら、すこしは笑ったらどうなんだ」 と言われて、その次から笑うようになったのである。 口も重いが動作も重いトミ子は、笑い方もぎごちなかった。見映えのしない平べったい目鼻立ちは、笑うことを億劫がっているように見えた。 ドアをあけて庄治を迎え入れると、大木が倒れるように黙って汗ばんだ体をもたせかけてくる。これも庄治が教えたのである。それまではただ困った顔で突っ立っているだけだ......
単語の意味
見映え・見栄え（みばえ）
億劫（おくこう・おっこう・おっくう）
見映え・見栄え・・・見た目がはえている（＝立派に見える）こと。外観がよくて、目立つこと。見た感じがいいこと。
億劫・・・１．仏教における時間の最長単位である｢劫（こう・ごう）｣の一億倍。転じて、極めて長い時間。永遠。万劫（ばんごう・まごう・まんごう）。
２．（時間が長くかかってやりきれないという意味が転じて）面倒くさくて気が進まないこと。何もやりたくない気持ち。（「おっくう」と読む場合が多い）
２．（時間が長くかかってやりきれないという意味が転じて）面倒くさくて気が進まないこと。何もやりたくない気持ち。（「おっくう」と読む場合が多い）
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