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(伸子の父の病の、)恐ろしい時は過ぎ去った。いろいろな人々が彼の寝台の周囲に出入りしはじめた。笑声もした。茶器が運び込まれる。伸子は、最も恐怖や不安や必要に満ちていた時は自分達から遠のき、鳴りを鎮めていた世間が、再びさり気なく姿を現したのを見る、一種の清新さと皮肉とを、日常生活の復帰から感じた。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:13% 作品を確認(青空文庫)
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命拾い・九死に一生を得る
病室
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前後の文章を含んだ引用
......々まだ劇しい頭痛が再発したりした。佐々は、初めての日こそ勇み立って次の間まで出て来たが、翌日から、洗面所へ立つだけでやはり終日臥床していた。しかし、いずれにせよ恐ろしい時は過ぎ去った。いろいろな人々が彼の寝台の周囲に出入りしはじめた。笑声もした。茶器が運び込まれる。伸子は、最も恐怖や不安や必要に満ちていた時は自分達から遠のき、鳴りを鎮めていた世間が、再びさり気なく姿を現したのを見る、一種の清新さと皮肉とを、日常生活の復帰から感じた。 このごろ、朝の寒さはなかなか厳しい。伸子は気疲れが出た故か、毎朝床離れが辛かった。十分眠った筈なのに、目が醒めても筋肉が弛緩 しているのを感じ、背中がベッドに貼......
単語の意味
清新(せいしん)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
笑声(しょうせい)
清新・・・新しくて清々しいさま。新鮮で活気が溢れているさま。
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
笑声・・・笑い声。笑っている声。
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命拾い・九死に一生を得るの表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
命拾いしたのだからこれくらい大きな幸運はあるまい。 単に命が助かっただけではない。一旦は絶望していた仕事への希望が戻ってきた。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
死の 篩 にかけられて、生き残った人たち
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
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病室の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
カーテンの向こうは、冷たい光を反射するリノリウムの床に医療機器や酸素ボンベなどが雑然と置かれた処置室だった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
妙に白っぽい病室の真っ白なベッド
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
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「生と死」カテゴリからランダム5
若い時代が来ていて、古葉にかわろうとするような、みずみずしい生命のかがやき
島崎 藤村 / 三人の訪問者 amazon
友子が実は生きているのか、死んでいるのか目覚めてしばらくはさっぱりわからなかった。ひどいものだった。人前で一日せっかく普通の一日をふるまって取り戻しても、眠って目覚めたとたん暗い暗いふりだしに戻ってしまうのだ。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
(死人の顔)なだらかな傾斜をもっていた荒井幸夫の顎は、色を変え、うすっぺらになり、そこには既に筋肉の力が働いていないことを示していた。
野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
(自殺した友子)そしてわかった。自分が実は友子を恨んでいるということ。あの夜彼女は自分の言いたいことだけ言い、思い残すことなくこの世を去り、智明の心だけがあの夜の中に置き去りにされたこと。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
浮上ったような蚯蚓腫 れや、蜥蜴 のような血斑
夢野久作 / ドグラ・マグラ
「室内のようす」カテゴリからランダム5
(銀座のある定食屋の)戸は自動ではなく、薄緑色のペンキを塗った木製の引き戸で、これが重くてしぶくて、うんと力を入れるとようやくゴトゴト音を立てて開く。”なかなか開かない引き戸”というのもなんだか懐かしくて嬉しい。
東海林さだお / コロッケの丸かじり amazon
(公衆)トイレは広く、壁の二面に小便用便器が設置され、もう一つの壁側には個室のボックスが四つあった。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
カーテンと戸を開け放つ。待っていたように風が吹き込んでくる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
白い天井に黒い蠅が一匹とまっていた。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
「病院」カテゴリからランダム5
妙に白っぽい病室の真っ白なベッド
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
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