TOP > 感情表現 > 気分が晴れない・落ち込む
TOP > 暮らしの表現 > 生と死 > 自殺願望・死にたい
TOP > 暮らしの表現 > 世間・世界・社会 > 世知辛い・生きにくい世の中
TOP > 暮らしの表現 > 暮らし・生活 > 生活苦・貧しい暮らし(日々)
(河の)塵芥 に混って鳩の死んだのがまるで雲をちぎったように流れていっていた。《…略…》私はフッと鳩のように死ぬる事を考えているのだ。《…略…》静かに流れて行く鳩の死んだのを見ていると、幸福だとか、不幸だとか、もう、あんなになってしまえば空 の空 だ。何もなくなってしまうのだと思った。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:53% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
自殺願望・死にたい
世知辛い・生きにくい世の中
生活苦・貧しい暮らし(日々)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......深いひさしの下を歩いている。芝居小屋の前をすぎると長い木橋があった。海だろうか、河なのだろうか、水の色がとても青すぎる。ぼんやり立って流れを見ていると、目の下を塵芥 に混って鳩の死んだのがまるで雲をちぎったように流れていっていた。旅空で鳩の流れて行くのを見ている私。ああ何もこの世の中からもとめるもののなくなってしまったいまの私は、別に私のために心を痛めてくれるひともないのだと思うと、私はフッと鳩のように死ぬる事を考えているのだ。何か非常に明るいものを感じる。木橋の上は荷車や人の跫音 でやかましく鳴っている。静かに流れて行く鳩の死んだのを見ていると、幸福だとか、不幸だとか、もう、あんなになってしまえば空 の空 だ。何もなくなってしまうのだと思った。だけど、鳥のように美しい姿だといいんだが、あさましい死体を晒す事を考えると侘しくなってくる。駅のそばで団子を買った。 「この団子の名前は何と言うんですか?」 「ヘエ......
単語の意味
塵芥(ちりあくた・ごみあくた・じんかい)
鳩・鴿(はと)
塵芥・・・塵(ちり)やごみ。値打ちのないもののたとえ。「芥(あくた)」とはごみのこと。「塵」と「芥」はどちらも訓読みで「ごみ」とも読める。
鳩・鴿・・・ハト科の鳥の総称。ほとんど全世界に分布し、人家の近くにも住む中形の鳥。目は丸く、嘴(くちばし)は短くて厚みがあり、体はずんぐりしていて胸は張る。翼の力が強く、飛翔力が大きい。帰巣本能を利用して、遠距離通信にも用いられる。また、平和の象徴とされる。種類が多く、およそ300品種ほど。
ここに意味を表示
自殺願望・死にたいの表現・描写・類語(気分が晴れない・落ち込むのカテゴリ)の一覧 ランダム5
いったんその企図が頭をもたげたが最後、君は魅入られた者のように、もがき苦しみながらも、じりじりとそれを成就するためには、すべてを犠牲にしても悔いないような心になって行くのだ、その恐ろしい企図 とは自殺する事なのだ。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
何もかもが一切虚 しくなりはてて、死ぬる事や、古里の事を考え出してくる。
林芙美子 / 新版 放浪記
このカテゴリを全部見る
世知辛い・生きにくい世の中の表現・描写・類語(世間・世界・社会のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(競争社会)いつ終わるともしれぬ激しい競争を生き抜き、高度資本主義社会のピラミッドの斜面を一歩ずつ上っていこう
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
生活苦・貧しい暮らし(日々)の表現・描写・類語(暮らし・生活のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ああ金に引きずりまわされるのがとても胸にこたえてくる。
林芙美子 / 新版 放浪記
寝転んで新聞を見ていると、きまって目の行くところは、芸者と求妻と、貸金と女中の欄が目についてくる。
林芙美子 / 新版 放浪記
このカテゴリを全部見る
「暮らし・生活」カテゴリからランダム5
こうして二人 は底止 する所のないいずこかへ手をつないで迷い込んで行った。
有島武郎 / 或る女
「世間・世界・社会」カテゴリからランダム5
(この世)絶望的で、悲惨に塗れた世界
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
君の乗った列車はポイントを切り替えられたことによって、この世界に運び込まれてきた
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
「気分が晴れない・落ち込む」カテゴリからランダム5
両足が空中を歩いているように浮ついていて、いつまでも目的地に到着しなければ良いという気持ちが身体に反映されているようだった。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
もう、これが私の人生の終りなのかもしれない。私は死にたいと思う。もう、こんな風な生きかたがめんどうくさいのだ。独りでいるには淋しいし、二人になればもっと辛いのだと思うと、世の中が妙にはかなくなって来る。
林芙美子 / 新版 放浪記
秋の終わりごろに風もないのに木の葉が一枚落ちるみたいな、そんな感じ(の死に方)
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
死を前にして胸しめつけられるような感情を味わっている
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
暮らし・生活 の表現の一覧
世間・世界・社会 の表現の一覧
気分が晴れない・落ち込む の表現の一覧
気分が晴れない・落ち込むのレベル
気分が晴れない・落ち込むの感覚、精神的な反応
気分が晴れない・落ち込むの表情、リアクション
その他の気分が晴れない・落ち込むの表現
次の文字を含む「気分が晴れない・落ち込む」の表現を検索 |
鬱 暗 胸 心 涙 泣 |
生と死 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ