途中で面白そうな土地があったら降りてみようかしらとも思っている。私は頭の上にぶらさがった鉄道地図を、じっと見上げて駅の名を一つ一つ読んでいた。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:11% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
当てのない旅
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ッと瞼 を開けてみると、せき止められていた涙が一時にあふれている。明石 行きの三等車の隅ッこに、荷物も何もない私は、足を伸び伸びと投げ出して涙の出るにまかせていた。途中で面白そうな土地があったら降りてみようかしらとも思っている。私は頭の上にぶらさがった鉄道地図を、じっと見上げて駅の名を一つ一つ読んでいた。新らしい土地へ降りてみたいなと思うなり。静岡にしようか、名古屋にしようか、だけど何だかそれも不安で仕方がない。暗い窓に凭 れて、走っている人家の灯を見ていると、暗......
ここに意味を表示
当てのない旅の表現・描写・類語(イベントのカテゴリ)の一覧 ランダム5
「神戸にでも降りてみようかしら、何か面白い仕事が転がっていやしないかな……」
林芙美子 / 新版 放浪記
「どこだっていいわ、ガソリンが切れるまで走ってよ。」
林芙美子 / 新版 放浪記
このカテゴリを全部見る
「イベント」カテゴリからランダム5
焼夷弾が雨のように火の尾を曳(ひ)いて降りそそぐ
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
旅慣れない私はこころの弾 む思いがあった。
岡本かの子 / 東海道五十三次
(お盆のUターン・ラッシュ)高速道路をはるか 彼方 まで、夏の日差しに輝く 夥しい車両が埋め尽くしていた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
イベント の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ