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(乾いた)痰は水をかけても離れない。
梶井基次郎 / 冬の日 ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
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乾燥状態・乾いている
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......なり、時にそれは驚くほど鮮かな紅 に冴えた。堯が間借り二階の四畳半で床を離れる時分には、主婦の朝の洗濯は夙 うに済んでいて、漆喰 は乾いてしまっている。その上へ落ちた痰は水をかけても離れない。堯 は金魚の仔でもつまむようにしてそれを土管の口へ持って行くのである。彼は血の痰を見てももうなんの刺戟 でもなくなっていた。が、冷澄な空気の底に冴 え冴 えとした一塊の......
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