TOP > 人物表現 > 言葉を交わす > 言葉につかえる・言葉を探す
お互に自分で話し出しては自分が極りわるくなる様なことを繰返しつつ幾町かの道を歩いた。詞数こそ少なけれ、その詞の奥には二人共に無量の思いを包んで、極りがわるい感情の中には何とも云えない深き愉快を湛えて居る。
伊藤左千夫 / 野菊の墓 ページ位置:30% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
言葉につかえる・言葉を探す
恋愛・恋する・恋心
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......まわねばならぬと云う様な、はっきりした意識も勿論ないのだ。言わば未 だ取止めのない卵的の恋であるから、少しく心の力が必要な所へくると話がゆきつまってしまうのである。 お互に自分で話し出しては自分が極りわるくなる様なことを繰返しつつ幾町かの道を歩いた。詞数こそ少なけれ、その詞の奥には二人共に無量の思いを包んで、極りがわるい感情の中には何とも云えない深き愉快を湛えて居る。それでいわゆる足も空に、いつしか田圃も通りこし、山路へ這入った。今度は民子が心を取り直したらしく鮮かな声で、 「政夫さん、もう半分道来ましてしょうか。大長柵 へは......
単語の意味
湛える(たたえる)
愉快(ゆかい)
湛える・・・水などの液体をいっぱいに満たす。気持ちを顔に表す。
愉快・・・爽(さわ)やかで快(こころよ)いこと。気分が晴れ晴れして、気持ちがいいこと。
ここに意味を表示
言葉につかえる・言葉を探すの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
言うべきことがあるのに、どうしても言葉にならない。無理に口を開こうとすると、愛や恋や運命について、映画や小説のなかで百万遍使われて擦り切れてしまった言葉ばかりが喉に出かかる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
燃えて燃えて燃え尽きるほどの恋愛
石川 達三 / 独りきりの世界 amazon
彼がいなくなってもすぐまた新しい素敵な男の人が、亜美ちゃんが歩む道にぽこりぽこりと生え出てきて、また新しい彩りを添えた。紳士服店のディスプレイ棚のなかに、色とりどりの様々な柄のネクタイが、くるくると巻かれて収納されているのと同じように、亜美の人生のなかには様々な色どりの良い男たちが収納されているのかもしれない。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
いつものように水島のことを考えはじめる。すぐに一種の忘我状態に陥って、水島のこと以外は何ひとつ考えるべきことを思いつけなくなる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「恋愛」カテゴリからランダム5
純粋な、その代わり冷えもせず熱しもしない愛情
有島武郎 / 或る女
彼は胸の詰まる思いで感傷に浸った。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
(何を言っても誰も)自分の今の心を理解してくれまいという気持が、言いかけた言葉を 咽喉 に押しもどした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
威圧できるというわけ、なん、や」 わけ、なん、やと語尾に力を入れてゆっくりと発音する
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
恋愛 の表現の一覧
言葉を交わす の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ