こだわりのない二人のお婆さんを見ていると、こんなところにもこんな世界があるのかと、淋しくなった。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:28% 作品を確認(青空文庫)
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老人
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......「そうやなあ、栄町の宿屋はんやけど、蒲団の洗濯があるというてましたけんど、なんぼう二十銭も出すやろか……」 「そりゃええなあ、二枚洗うてもわて食えますがな……」 こだわりのない二人のお婆さんを見ていると、こんなところにもこんな世界があるのかと、淋しくなった。 とうとう夜になってしまった。港の灯のつきそめる頃はどこにも行きばのない気持ちになってしまう。朝から汗でしめっている着物の私は、ワッと泣きたい程切なかった。これ......
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老人の表現・描写・類語(中年・老人のカテゴリ)の一覧 ランダム5
すらっとした面高の、かつては美人だったに違いない老夫人
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
白髪、白髯 の神々しい老人
夢野久作 / ドグラ・マグラ
象の飼育係はやせた小柄な老人だった。正確な年齢はわからない。六十代前半かもしれないし、七十代後半かもしれない。世の中にはある時点を越えると外見を年齢に左右されることをやめてしまう人がいるものだが、彼もそんな一人だった。
村上 春樹 / 象の消滅「新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
一日一日生命の力から遠ざかって行く老人
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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老人は黙って立った。脊が高くちょうど風雨にさらされた山の枯木のような感じがした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
私は夜が好きだ。私は夜のように早く年をとりたい。
林芙美子 / 新版 放浪記
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