ショックだった。『ああ、天才！』って、それはもう、人を落ち込ませるくらい。こんな人がいるんだって。

彼は、神様が戯れに折って投げた紙ひこうきみたいな才能ね。空の高いところに、ある時、突然現れて、そのまますーっと、まっすぐに飛び続けて、いつまで経っても落ちてこない。……その軌跡自体が美しい。

素質に恵まれている

何をやらせてもほかの者たちを寄せ付けないところがある

神童として新聞に取り上げられたこともある。

剃刀のような神経を持った早熟の秀才

完膚なきまでに無学

必要に迫られると能力以上のことが可能になる。

好きと上手はべつらしい。

（白痴）かの女が二十歳近くも年齢の違う規矩男と歩いていて殆（ほとん）ど年齢の差も感ぜず、また対者にもそれを感ぜしめない範囲の交感状態も、かの女の稚純な白痴性がかの女の自他に与える一種の麻痺状態（まひじょうたい）ではなかろうか