やがて船底にじゃりじゃりと砂の触れる音が伝わった。船は滞りなく君が生まれ君が育てられたその土の上に引き上げられた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:55% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......やりした感じに襲われて来た。 君はもう一度君の父上のほうを見た。父上は舵座にすわっている。しかしその姿は前のように君になんらの迫った感じをひき起こさせなかった。 やがて船底にじゃりじゃりと砂の触れる音が伝わった。船は滞りなく君が生まれ君が育てられたその土の上に引き上げられた。 「死にはしなかったぞ」 と君は思った。同時に君の目の前は見る見るまっ暗になった。‥‥君はそのあとを知らない。
七
君は漁夫たちとひざをならべて、同じ握り......単語の意味
土(つち)
砂(すな)
土・・・岩石と有機物が混じって細かい粉末状になったもの。有機物は、生物の死骸およびその腐敗物、微生物などから構成されている。砂(有機物が含まれない)とは違い、植物が育ちやすい。
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
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舟が軋み、底に何かがぶつかったような感じがした時、もう、トモギに戻ったのかと驚いたほどでした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
有島武郎 / 生まれいずる悩み
崖 が次第に近づいてきました。浜から腐った海草の臭いが漂い、舟底を砂がひっかきはじめると、若者は、舟から飛びおり、海に足をつけて両手で 舳 を押しはじめました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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流星花のようにその飛行機は墜ちて
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
兜(かぶと)虫のように見える装甲車
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