「赤ん坊の泣き方ってすごいね」成瀬の顔を見た。「あの泣き声で、車内吊り広告が剥がれそうだ」
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 ページ位置:33% 作品を確認(amazon)
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赤ん坊・幼児が泣く
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前後の文章を含んだ引用
......だった。車内に反響するくらいの声で、周囲の乗客も顔をしかめている。神経に障る泣き声ではあったが、誰も怒るわけにいかない。やりどころのない苛立ちが、列車内に漂う。「赤ん坊の泣き方ってすごいね」成瀬の顔を見た。「あの泣き声で、車内吊り広告が剥がれそうだ」「アピールだ」「アピール?」「赤ん坊が泣くのは、自分がそこにいるのを認めてほしいからだ。アピールしているんだよ。人の赤ん坊は親の助けなしでは生きられないからな」......
単語の意味
赤ん坊(あかんぼう)
赤ん坊・・・赤ん坊】生まれて間もない子供。また、おなかの中の子供。身体が赤みがかっているからいう。赤子(あかご)。赤ちゃん。
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赤ん坊・幼児が泣くの表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まどかが布団の上で全身の力を振り絞って泣き喚いていた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
誰もいないことに気づいて、自分が取り残されたことに気づいて、彼女はスイッチがパチンと切り換わるように明確に泣き始めた。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
赤ん坊が泣いていることに気がつく。車両の一番端のほうだった。車内に反響するくらいの声で、周囲の乗客も顔をしかめている。神経に障る泣き声ではあったが、誰も怒るわけにいかない。やりどころのない苛立ちが、列車内に漂う。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
赤児の声は段々に 嗄れて来た。 到頭 仕舞いに顔ばかり泣いていて、声は出なくなった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
自由席に陣取った若い母親に抱かれた赤ん坊が泣き通しだったことも、疲労感を倍加させていた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
女は叫んだ。こういう叫声を日本語は「悲鳴」と概称しているが、あまり正確ではない。それは 凡そ「悲」などという人間的感情とは縁のない、獣の声であった。人類は立ち上って 胸腔 を自由に保たないならば、こういう声は出せないであろう。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
満ちてくる潮のように、あるいは引いていく潮のように一心に歌う
灰谷 健次郎 / 太陽の子 amazon
露天の叩き売りのような低くてかすれた声
椎名 誠 / 新橋烏森口青春篇 amazon
「泣く」カテゴリからランダム5
河畔に響き渡るような声で泣いた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
火のような涙が噴きこぼれてきた。
林芙美子 / 新版 放浪記
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