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死病を宣告されると、これまで想を練っていた新しい方向がひどく鮮明に浮んできた。事実、その着想を得たときは昂奮して二、三日は夜も眠れなかった。その後もずっとその考えを追ってきたのだけれど今までぼんやりとしていたそれがここで明確になってきた。それも生きる期間を制限されて気持が急に真剣になったものか、神経的な感覚が尖鋭になったものかよく分らなかった
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 ページ位置:10% 作品を確認(amazon)
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余命宣告・死の覚悟
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前後の文章を含んだ引用
......くれないし、むろんのことそれに値する仕事もしていなかった。少し見込みのある奴が早く死んだと云うだけだろう。かげで手を拍っているライバルもいるにちがいなかった。 死病を宣告されると、これまで想を練っていた新しい方向がひどく鮮明に浮んできた。事実、その着想を得たときは昂奮して二、三日は夜も眠れなかった。その後もずっとその考えを追ってきたのだけれど今までぼんやりとしていたそれがここで明確になってきた。それも生きる期間を制限されて気持が急に真剣になったものか、神経的な感覚が尖鋭になったものかよく分らなかったが、多分両方にちがいない。その思いついた新しい分野を造形化したら必ず成功しそうであった。絵具の色まで眼の奥に現われた。それも、まだだれもやってない配色だった。 ......
単語の意味
着想(ちゃくそう)
着想・・・アイデア。思いつき。物事をうまく進めるための工夫。
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