今にも錆びつきそうなもの哀しい二両編成の郊外電車
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
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電車・汽車
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前後の文章を含んだ引用
......それから四年後、一九七三年の五月、僕は一人その駅を訪れた。犬を見るためだ。そのために僕は髭を剃り、半年振りにネクタイをしめ、新しいコードヴァンの靴をおろした。 今にも錆びつきそうなもの哀しい二両編成の郊外電車を下りると、まず最初に懐しい草の匂いが鼻をついた。ずっと昔のピクニックの匂いだ。五月の風はそのように時の彼方から吹き込んできた。顔を上げ耳を澄ませば、雲雀の声さ......
単語の意味
錆・銹・鏽(さび)
錆・銹・鏽・・・金属が空気に触れたり水に濡れたりして傷み、赤茶色や青白色に変色し脆(もろ)くなったもの。空気中や水中で金属が酸化し表面にできる、酸化物質や水酸化物質。
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神戸のほうからやって来た電車が架線に青い火花をたてていた。火花は猛烈なスピードで武内の前を過ぎ去って行った。夜の 虚空 を飛んで行くそのひんやりした閃光を見たとき、武内は鈴子に逢おうと思った。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
新幹線が揺れる。暴れる風を必死に抱えて、走っているような雰囲気がある。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
貨物列車が爽やかな息を吐きながらしず/\パッシイ街の方へ越えて行く。
岡本かの子 / 巴里祭
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前灯に照らし出される光の道をじっと見つめていると、何だか見知らぬ物語の世界に走りこんで行くような気分になる。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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