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俺はその言葉に、ようやく司の顔を見る。 「……死んだ?」 顔を見たはずが、俺の視線は司をすり抜け、その後ろの高校をすり抜け、どこかに吸い込まれてしまう。俺の目はなにかを見ているはずなのに、なにも見ていない。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 ページ位置:46% 作品を確認(amazon)
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きょとんとした目つき・虚ろな眼差し
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前後の文章を含んだ引用
......友が住んでる町だって?」 乾いた笑いを声に貼りつかせたまま、司が大声を出す。「そんなわけねえだろ! 三年前に何百人も死んだあの災害、瀧だって覚えてるだろ!?」 俺はその言葉に、ようやく司の顔を見る。「……死んだ?」 顔を見たはずが、俺の視線は司をすり抜け、その後ろの高校をすり抜け、どこかに吸い込まれてしまう。俺の目はなにかを見ているはずなのに、なにも見ていない。「……三年前に──死んだ?」 ふと、俺は思い出す。 三年前、東京の空に見た彗星。西の空に落ちていく無数の流星。夢の景色のように美しいと思った、あの時の昂ぶり。 ......
単語の意味
視線(しせん)
視線・・・目と、目が見ようとしているモノとを結ぶ線。目が見ている方向。見つめている方向。
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きょとんとした目つき・虚ろな眼差しの表現・描写・類語(目・瞳のカテゴリ)の一覧 ランダム5
その目は何も語りかけてはいなかった。《…略…》どれだけ見つめてもその奥に何かをみつけることはできなかった。僕の顔と彼女の顔はほんの三十センチくらいしか離れていなかったけれど、彼女は何光年も遠くにいるように感じられた。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
夢みるような目
有島武郎 / 或る女
その目には表情がなかった。まだ何も刻まれていないまっさらな石版を見つめている人のように。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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「目・瞳」カテゴリからランダム5
眼は濡れた椎の実のようにつやつやと光っている
大江 健三郎 / 死者の奢り amazon
その眼は人間の珍重する琥珀 というものよりも遥 かに美しく輝いていた。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
眼の奥には追いつめられた動物のそれに似た必死な光りが籠っていた
石坂洋次郎 / 麦死なず amazon
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