赤ん坊は、小さな寝息をたてて眠っている。

怪獣みたいないびき

規則正しい寝息をたてて

傍で寝ている酒気を帯びた父の鼾（いびき）が喉（のど）にからまって苦しそうだ。

雷のようなイビキを立てて熟睡する

弟が降りてきた。 　恐ろしく不機嫌そうに寝ぼけていて、死人のように青くて、声をかける気にもならなかった。 「まだ寝る。」 　たずねてもいないのに、答えるのがいやそうに彼は言った。《…略…》不機嫌というより、本当に眠くて話すのもおっくうだ、という感じだった。

君、今、すごくきれいな夢見てたでしょう。」 「うん、どうして？　寝顔がきれいだった？」

（赤ん坊は）親指をしゃぶりながらさやさやと軽い寝息をたててまどろんでいる。

（横になって泣く）耳の中へゴブゴブ熱い涙がはいって行く。

口を開けて気持ちよさそうに眠っている。