去年の落葉が堆肥 のように腐っている山の尾根
吉川英治 / 銀河まつり ページ位置:2% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
山
枯れ葉・葉が散る
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ばなしなので……。 「誰も来やしまいな。――大丈夫だろうな、お芳 」 「え、大丈夫」 「今の咳 ばらいは」 「延徳村の繭買 いの爺さん」 「もう去 ってしまったのか」 「ええ」 去年の落葉が堆肥 のように腐っている山の尾根だった。自分の声のひびきに、一種の不気味さを感じるほど、そこは静かである。 どこかでぼくぼくと土を掘る音がしていた。檜 の縞 がすくすくと立って、春の空へ暗緑の傘を......
単語の意味
尾根(おね)
堆肥(たいひ)
尾根・・・連なった山を遠くから見たときの、ある山の頂上と隣の山の頂上を結ぶ、一番高い線の部分。山稜(さんりょう)。
堆肥・・・落ち葉やワラや糞尿などを積み重ねて、腐らせて作った肥料。積み肥(つみごえ)。
ここに意味を表示
山の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
奇妙なほどつるりとした円錐形の山が見えた。その先端はまるで巨大な力でねじまげられたような形にゆがんでいる。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
緑したたる山の姿が、絵筆もおよびがたいほど、纏綿(てんめん)たる情緒にあふれている
白洲 正子 / 能の物語 amazon
二つの溪の間へ楔子 のように立っている山
梶井基次郎 / 蒼穹
このカテゴリを全部見る
枯れ葉・葉が散るの表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
木の根方に落ち葉が吹き寄せられるように、足元が一時のふきだまりになる
山本 有三 / 波 amazon
小さな葉っぱが海苔巻のように巻かれたまま落ちています
堀 辰雄 / 美しい村 amazon
このカテゴリを全部見る
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
どの花も秋の日射しを受けて眩しいほどに輝いている。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
家をゆすって遠いかみなりのような地ひびきをさせ、なにかが通っていきました。
松谷 みよ子 / はと「黒い蝶・うさぎのてぶくろ ほか (松谷みよ子全集)」に収録 amazon
「秋」カテゴリからランダム5
秋の陽はつるべ落としで、黄ばんだ陽が白く乾き、波のうねりがひどく凄じくなって来た。
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
街の灯がうすい靄(もや)につつまれて、秋の夜風が腸(はらわた)にしみるようだ。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
同じカテゴリの表現一覧
地上・陸地 の表現の一覧
秋 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ