下界は地とすれすれに、もやが立ちこめて秋ふけた感じだ。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:74% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
霧・かすみ・もや
秋
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......方へ散歩をする。 きらめくばかりの星屑の光。なんの目的で歩いているのかはわからないけれども、それでも私は歩く。按摩 さんが二人、笛を吹いては大きく笑いながら行く。下界は地とすれすれに、もやが立ちこめて秋ふけた感じだ。 石屋の新しい石の白さが馬鹿に軽そうに見える。私は泣いた。行き場がなくて泣いた。石に凭れてみる。いつかは、私も墓石になるときが来る。何時 かは……。私はお化けにな......
単語の意味
立ち込める・立ち籠める(たちこめる)
立ち込める・立ち籠める・・・煙や霧などの気体が、あたり一面を覆う。
ここに意味を表示
霧・かすみ・もやの表現・描写・類語(雨・霧のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ずっと朝靄がわたしを包んでいた。まつげがしっとり冷たくなった。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
寺がある。朝からの霧が未だ晴れず、その大きな萱屋根が坐っている彼の眼の高さに鼠色に見えている。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
霧はゆっくりうねりながら、一つの方向へ流れていた。それは風景をすっぽり包み込んでしまうような息苦しい霧ではなく、透明な清らかさを持っていた。手をのばすと、その薄くてひんやりしたベールの感触を味わうことができそうだった。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
秋の表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
セーターを着ると新しい季節のにおいがした
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
このカテゴリを全部見る
「雨・霧」カテゴリからランダム5
ときおりの強い風が十一月の 凍てついた雨粒を無造作にガラス窓に叩きつけていた。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
土肌を洗い流す程の大雨なり。尻からげになって会社へ行く。
林芙美子 / 新版 放浪記
夜は暗く霧は重く、はてのない沼のよう
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
「秋」カテゴリからランダム5
やんまが一疋 止まって、羽を山形に垂れて動かずにいる。
森鴎外 / 阿部一族
光った土の上へ、飛白(かすり)のように落葉が乾いて散らかっていた
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
杉林の前には、数知れぬ蜻蛉の群が流れていた。たんぽぽの綿毛が飛んでいるようだった。
川端 康成 / 雪国 amazon
同じカテゴリの表現一覧
雨・霧 の表現の一覧
秋 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ