海の底に一つ沈んでぎらっと光る貝殻 のように、床の上で影の中に物すごく横たわっている鏡
※備考※ 薄暗い部屋の床に落ちた鏡
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:81% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
鏡・ミラー
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......たと引きずって来る音が聞こえた。葉子はほっと息気 をついた。そしてあわてるように身を動かして、貞世の頭の氷嚢 の溶け具合をしらべて見たり、掻巻 を整えてやったりした。海の底に一つ沈んでぎらっと光る貝殻 のように、床の上で影の中に物すごく横たわっている鏡を取り上げてふところに入れた。そうして一室一室と近づいて来る看護婦の足音に耳を澄ましながらまた考え続けた。 今度は山内 の家のありさまがさながらまざまざと目に見る......
ここに意味を表示
鏡・ミラーの表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
壁の鏡はまるでさっき出土されたもののようにどんより曇っている。
吉本ばなな / 哀しい予感 amazon
元来鏡というものは気味の悪いものである。深夜蝋燭 を立てて、広い部屋のなかで一人鏡を覗 き込むにはよほどの勇気がいるそうだ。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
(鏡の中の自分)我々は顔を見合わせてため息をついた。我々は違う世界に住んで、同じようなことを考えている。まるで「ダック・スープ」のグルーチョ・マルクスとハーポ・マルクスみたいに。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「道具・家具」カテゴリからランダム5
火鉢がないので、七輪に折り屑 を燃やして炭をおこす。
林芙美子 / 新版 放浪記
刷りが悪いので、天皇さまも皇太子も顔じゅうにひげをはやしたような工合に見える。
林芙美子 / 新版 放浪記
同じカテゴリの表現一覧
道具・家具 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ