ただ涼しい風がそよそよと鬢 の毛をそよがして通るのを快いと思っていた。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:6% 作品を確認(青空文庫)
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風を受ける
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前後の文章を含んだ引用
......まま放心して、晩夏の景色をつつむ引き締まった空気に顔をなぶらした。木部の事も思わない。緑や藍 や黄色のほか、これといって輪郭のはっきりした自然の姿も目に映らない。ただ涼しい風がそよそよと鬢 の毛をそよがして通るのを快いと思っていた。汽車は目まぐるしいほどの快速力で走っていた。葉子の心はただ渾沌 と暗く固まった物のまわりを飽きる事もなく幾度も幾度も左から右に、右から左に回っていた。こうして葉子......
単語の意味
鬢(びん)
鬢・・・頭の左右側面の、耳より前の髪。耳ぎわの髪。
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風を受けるの表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ひとかたまりの風が吹き上げてきて、異常に白い顔のまわりで髪がたてがみのように膨らむ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
旗のように風まかせになって
林芙美子 / 新版 放浪記
(人力車)幌 にのしかかって来る風に抵抗しながら車は闇 の中を動き出した。
有島武郎 / 或る女
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弁当には偉大なる握り飯を一個、夏蜜柑 のように腰へぶら下げて
夏目漱石 / 吾輩は猫である
性根の悪い色をした青黒い水が、油のようにむうと流れる
内田 百けん / 冥途 amazon
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