囲炉裏のそばには、君と君の妹だけが残るのだ。 時が静かにさびしく、しかしむつまじくじりじりと過ぎて行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:71% 作品を確認(青空文庫)
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二人きり
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前後の文章を含んだ引用
......あ寝まるぞ」 わずかな晩酌 に昼間の疲労を存分に発して、目をとろんこにした君の父上が、まず囲炉裏のそばに床をとらして横になる。やがて兄上と嫂 とが次の部屋 に退くと、囲炉裏のそばには、君と君の妹だけが残るのだ。 時が静かにさびしく、しかしむつまじくじりじりと過ぎて行く。 「寝ずに」 針の手をやめて、君の妹はおとなしく顔を上げながら君に言う。 「先に寝れ、いいから」 あぐらのひざの上にスケッチ帳を広げて、と見こう見している......
単語の意味
囲炉裏(いろり)
囲炉裏・・・部屋の床にある、四角くて小さい砂場のような場所。そこで火をおこして、暖房や調理を行う。
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天と地との間で広い畑の真ン中に二人が話をしているのである。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
囲炉裏のそばには、君と君の妹だけが残るのだ。 時が静かにさびしく、しかしむつまじくじりじりと過ぎて行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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それ以来山嵐はおれと口をきかない。机の上へ返した一銭五厘はいまだに机の上に乗っている。ほこりだらけになって乗っている。おれはむろん手が出せない、山嵐はけっして持って帰らない。この一銭五厘が二人の間の障壁になって、おれは話そうと思っても話せない、山嵐は頑として黙ってる。おれと山嵐には一銭五厘がたたった。しまいには学校へ出て一銭五厘を見るのが苦になった。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
宇宙の暗い空間に浮かぶ二つの遊星のようにごく自然に引き合い、そして離れていく
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
少年のころの友情は、深い配慮がともなわぬだけに、長く育まれないものらしい。
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
「父といたときからずっと、庄司さんといるときも、乙彦に出会ったときも、いつも感じた。何かの道具になってるような無力感。いつも自分のほうが弱い。」
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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