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彼の自分と違うところを愛し、彼の自分と違うところにさびしさを感じる。彼の一つ一つに胸が高鳴り、同時にしめつけられる。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:9% 作品を確認(amazon)
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愛する・愛情
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前後の文章を含んだ引用
......な丸い形をした果実が手のなかに残る。白い繊維まで一筋も残さずに剝ぎ取られた実は、薄皮の下の果肉が透けて見えるほどの丸裸になって、痛々しい。そういうところが好き。彼の自分と違うところを愛し、彼の自分と違うところにさびしさを感じる。彼の一つ一つに胸が高鳴り、同時にしめつけられる。私がかぶりついて手も口もべとべとにしながら食べるのに対して、絃は一房ひとふさの薄皮を丁寧に剝がしてから、口にほうりこむ。手も唇もほとんどぬれない。 生活のこまご......
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胸(むね)
・・・1.体の前面で、首と腹との間の部分。また、その内側にある心臓や肺臓、胃などの内臓。
2.(胸に宿るとされている、)心。想い。心中。
3.乳房(ちぶさ)。おっぱい。
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