彼の自分と違うところを愛し、彼の自分と違うところにさびしさを感じる。彼の一つ一つに胸が高鳴り、同時にしめつけられる。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:9% 作品を確認(amazon)
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愛する・愛情
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前後の文章を含んだ引用
......な丸い形をした果実が手のなかに残る。白い繊維まで一筋も残さずに剝ぎ取られた実は、薄皮の下の果肉が透けて見えるほどの丸裸になって、痛々しい。そういうところが好き。彼の自分と違うところを愛し、彼の自分と違うところにさびしさを感じる。彼の一つ一つに胸が高鳴り、同時にしめつけられる。私がかぶりついて手も口もべとべとにしながら食べるのに対して、絃は一房ひとふさの薄皮を丁寧に剝がしてから、口にほうりこむ。手も唇もほとんどぬれない。 生活のこまご......
単語の意味
胸(むね)
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純粋な、その代わり冷えもせず熱しもしない愛情
有島武郎 / 或る女
愛の芽が須賀の中に芽ぶきはじめたのだ。
円地 文子 / 女坂 amazon
驕慢な独占の玩弄物(がんろうぶつ)的な愛
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
(知らない人とセックスしても、好きな人への愛が損われることはないのか?)「チベットにある煩悩の車輪と同じ。車輪が回転すると、外側にある価値や感情は上がったり下がったりする。輝いたり、暗闇に沈んだりする。でも本当の愛は車軸に取りつけられたまま動かない」
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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着なれた着物に手を通したような懐しさ
倉橋 由美子 / 長い夢路「倉橋由美子全作品〈6〉 ヴァージニア・長い夢路 (1976年)」に収録 amazon
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不断の関心ほど恋にとって豊かな糧はない
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
失恋の果敢 なき運命をかこつ身となって
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馬鹿馬鹿しかったり疲れて嫌になったりするはずのそんなじゃれ合いが、いくらでも出来た。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
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