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烈しく愛し合っていた筈の二つの心が連絡を失い、ただ、離れ切れない消極の力だけに牽 かれて、互に牽きつ牽かれつしている状態が、切なく伸子に迫った。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:77% 作品を確認(青空文庫)
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心変わり・熱が冷める
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前後の文章を含んだ引用
......、夜毎に耳だつ広い虫の音と、黄色くなって来る庭の芝を見て暮していた。その間の気持や、今自分達二人が、透明に秋陽のさす庭で、薔薇を剪る剪らぬと云い縺れている心持。烈しく愛し合っていた筈の二つの心が連絡を失い、ただ、離れ切れない消極の力だけに牽 かれて、互に牽きつ牽かれつしている状態が、切なく伸子に迫った。これから何年か経った後のある秋晴の日、偶然今日の些細なこの情景が、記憶の底から浮び上ることがあったら、縁側にこうやって坐っていた自分、庭にいる佃の姿、美しかった......
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娘は芝居の幕が閉じたように、若い学者との結婚が馬鹿らしくなった。
岡本かの子 / 河明り
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さて、僕は思った。でも「さて」のあとが続かなかった。僕は思考の巨大な空白の真ん中にいた。どちらに行っても、何処まで行っても空白だった。何にもいきあたらなかった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
子供の落書きのような空想
安部 公房 / 他人の顔 amazon
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持てる忍耐力を総動員して、財前は丁寧な口調で続けた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
ギシギシという音がして、《…略…》どこか床が腐っているのかと思ったら、それは泰山の歯ぎしりの音なのであった。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
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