ほとんど憎悪に近い愛が、――今まで知らなかった、不思議な愛が燃え立っている
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:85% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
愛する・愛情
愛憎
憎悪・憎しみ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......がた馬を飛ばせて、いっさんに走り去った兄とさえ、変わっている。険しくせまった眉 に、かたく、下くちびるをかんだ歯に、そうしてまた、怪しく熱している片目に、次郎は、ほとんど憎悪に近い愛が、――今まで知らなかった、不思議な愛が燃え立っているのを見たのである。 「早く乗れ。次郎。」 太郎は、群がる犬の中に、隕石 のような勢いで、馬を乗り入れると、小路を斜めに輪乗りをしながら、叱咤 するような声で、こう言っ......
ここに意味を表示
愛する・愛情の表現・描写・類語(好きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
子供をその温かい愛の翅(はね)で包むことが出来た。
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
むず痒いような悦びと愛とが起って来るのであった。それは「新緑が胸の中に萌え出るような感じ」であった。
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
このカテゴリを全部見る
愛憎の表現・描写・類語(好きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
癒着するように憎み合うことと愛し合うこととがどうちがうのかもわからない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
淳が機嫌よくしている時は悠木の心は満たされた。だが、ひとたび淳が反抗の気配でも漂わそうものなら、胸に溢れ返る愛情は一瞬にして底知れぬ憎悪へと変化し、どこまでも冷淡に淳に当たった。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
夫に対する愛と憎の輾転反側 が伸子の心にまた力を盛りかえした。
宮本百合子 / 伸子
このカテゴリを全部見る
「憎悪・憎しみ」の表現・描写・類語(嫌いのカテゴリ)の一覧 ランダム5
どす黒い憎悪を覚えていた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
私を捨てて去って行った島の男が呪 わしくさえ思えて
林芙美子 / 新版 放浪記
このカテゴリを全部見る
「嫌い」カテゴリからランダム5
毛虫のようにきらう
森鴎外 / 高瀬舟
ここ数日、和弥さんは食欲がなくなり、ぼんやりと遠くを見ていることが多くなりました。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
「好き」カテゴリからランダム5
本気で私に愛想をつかしてほしい。会社で会って私が話しかけても無関心な瞳で普通に言葉を返すだけになれば、私はつめたい大理石のうえに寝そべり、石の表面に自分の体温がほんのりと移っていくようにニのことを好きになるかもしれない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
私を凝っと見まもっている立子山先生の慈愛にみちあふれた笑顔
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
「恋愛」カテゴリからランダム5
彼の親指は丁寧に彼女の下唇を撫でた。彼女は口を半分開いてそれを気持良さそうに受け止めている。そのうちに爪は裏返り、親指の背の全部を彼女の唇に当てて行ったり来たりさせる。まるで弦楽器の弓のように。爪はいつのまにか口紅で染まる。彼の親指全体もやがて赤く塗られ始める。指紋には紅が溜まり、スタンの黒い指には赤い血管が鮮やかに浮き出して来たかのようだった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
(ゲームで)指を握り返したりした。そんな時、 他 の人の場合では、感じない鋭敏さを以て、その握り方の強さを彼は計った。
志賀直哉「暗夜行路 (講談社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
嫌い の表現の一覧
好き の表現の一覧
恋愛 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ